いよいよ2021年が幕を開けた。今年、4大メジャーを制してゴルフ界の主役になるのは誰か? その大本命である世界トップ5の選手たちのスウィングを5日連続で紹介。第3回は、世界ランク3位のジャスティン・トーマスだ。(解説/石井忍)

2015年から6年連続でPGAツアーで勝利を挙げ、2017年以降は毎年2勝以上している抜群の安定化を誇るジャスティン・トーマス。そのスウィングの特徴を石井忍は「縦に遠心力を使っていくスウィング」と分析する。

「始動の段階から、肩を縦に回すことによってクラブヘッドをアウトサイドにシャットに上げていく感じがありますよね。やっていただけるとわかりますが、手首をキープして左肩を下げながらクラブを上げると、クラブヘッドって外に上がりやすいんです。そのまま、左肩をあごのしたに突っ込むようにトップに向かいますが、このように上げるとクラブの軌道はアップライトになります」(石井、以下同)

画像: 肩を縦に回し遠心力を使っていくジャスティン・トーマス(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

肩を縦に回し遠心力を使っていくジャスティン・トーマス(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

そして、トーマスの大きな特徴といえばやはり切り返し以降の“地面反力“の使い方だろう。

「切り返しで地面を踏む→回転して→蹴る、という3つの動作が非常に上手い。つま先に注目すると、切り返しで後方から前(つま先側)に地面を踏み込んでいます。遠心力と地面の反力を最大限に使っている、効率のいいスウィングです」

画像: 切り返しでは右足つま先側に踏み込み、地面反力を使うトーマス。左手首の角度が変わらないのも特徴で、これにより遠心力を生み出している(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

切り返しでは右足つま先側に踏み込み、地面反力を使うトーマス。左手首の角度が変わらないのも特徴で、これにより遠心力を生み出している(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

トーマスは、切り返しで左手首の角度が変わらない。これは、タメをつくるのではなくむしろリリースする方向に力をかけている証拠だと石井は言う。タメをつくってヘッドを急加速させるのではなく、リリース方向に力をかけることでヘッドに遠心力をかけていく。

腕では遠心力をつくり、脚では地面版力をつくる。両者のハイブリッドスウィングだと石井はトーマスのスウィングを評する。

「スウィングの話をしてきましたが、私が注目しているのは実は彼のショートゲーム。アプローチの引き出しが多く、ゴルフが成熟してきています。まだまだ限界が来ていない、もっと活躍する余力を持っている選手だと思います」

実績に対して、メジャーは松山英樹との優勝争いの末につかんだ全米プロのまだ1勝。今年は2勝目をつかめるか!?

画像: アプローチが上手くなりたい人、必見!伊澤秀憲が教えるアマチュアが最初に練習すべきアプローチ【伊澤秀憲プロ】 youtu.be

アプローチが上手くなりたい人、必見!伊澤秀憲が教えるアマチュアが最初に練習すべきアプローチ【伊澤秀憲プロ】

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