週刊ゴルフダイジェストで連載中の「ゴルルとルール2020」は、ゴルフルールに関するクイズコラム。今回は2020年に公開された問題の中から正答率の低かった「難問トップ5」をピックアップ! あなたは何問正解できる?

正答率27%! 「マークしていない球が風で動いてパターに当たった。この場合どうするのが正しい?」

ルールクイズ難問編、まずは正答率27%の問題から見ていこう。

「寄せワンのチャンスが巡り、絶対に入れたかったので、マークせずにそのままピンを見ながら入念にラインを読んでいた。と、その時、突風で球が転がり、パターヘッドに当たり止まった。そこで、『罰打なしでリプレース』を主張したが……」

この問題、正しい答えは以下の4つのうちどれだろう?

【1】1打罰でそのままプレー

【2】1打罰で元の位置にリプレース

【3】無罰でそのままプレー

【4】無罰で元の位置にリプレース

画像: マークしていない球が風で動き、パターに当たってしまった! どう処置するのが正解?

マークしていない球が風で動き、パターに当たってしまった! どう処置するのが正解?

正解は、【3】の「無罰でそのままプレー」。旧ルールでは1打罰が科せられたが、2019年のルール変更で、「動いている球が偶然に人や外敵影響に当たった場合」(規則11・1)により、どのプレーヤーにも罰打はなくなり、まだ拾い上げてない場合は、その球は新しい箇所からプレーする。ただし、すでにマークして拾い上げ、リプレースした場合は元の箇所にリプレース(規則13・1d)。

ちなみに4つの選択肢の中で一番票を集めたのは、【4】の「無罰で元の位置にリプレース」で48%。一度マークして拾い上げているかどうかで処置が変わることは覚えておこう。

正答率25%! アドレス前に球の近くにあったディボット跡に目土をしたが、アドレスすると足がその上にかかってしまう。こんなとき、どうなる?

続いては正答率25%と4人に3人が間違えたこちらの問題。あなたは正解できる?

「2打目地点の球の近くでディボット跡を発見。ショットの前に目土をしたが、アドレスをとると左足がその目土の上にかかってしまうのを見て、同伴者がルール違反を指摘。『コース保護のための目土はいつでもしていいはずよ』と反論したが……」

正しい答えはどちら?

【1】罰打なし

【2】スタンス区域の改善で2打罰

画像: コース保護のため目土をしたあとに、アドレス時に足がかかってしまうことに気づいた。この場合は2打罰? それとも無罰?

コース保護のため目土をしたあとに、アドレス時に足がかかってしまうことに気づいた。この場合は2打罰? それとも無罰?

正解は、【2】の「スタンス区域の改善で2打罰」。プレーヤーはストロークに影響を及ぼす状態が改善されてしまう場合、穴、窪み、起伏がある面をなくすことは禁止されている(規則8・1a)。今回のようにスタンス前に目土をして、それが足にかかる場合も罰打の対象になる。また状態を改善した時点で罰打の対象になり、元の位置に復元しても罰打を免れることはできない(オフィシャルガイド)。

意図した改善かどうかに関わらず罰打となってしまう可能性があるので、ボール付近のディボット跡はショット後に目土するのが安牌だ。

正答率25%! 球が木の根元にあって打てないが、アドレスすると足がカート道にかかる場合、救済は受けられる?

次の問題も正答率25%の難問。

「2打目を左に曲げてしまい、落下地点付近に行ってみると、球はOBではなかったものの木の根元で明らかに打てない状況だった。しかしアドレスをとってみたところ、右足がカート道にかかったため、『無罰で救済が受けられる』と主張したが、同伴者が『待った』をかけた」

正しい答えはどちら?

【1】受けられる

【2】受けられない

画像: ボールは木の根元にありまともに打てず、さらにアドレスすると足がカート道にかかってしまう。これって無罰で救済は受けられる?

ボールは木の根元にありまともに打てず、さらにアドレスすると足がカート道にかかってしまう。これって無罰で救済は受けられる?

正解は、【2】の「受けられない」。カート道など動かせない障害物を含む「異常なコース状態」がプレーヤーの意図するスタンス区域の物理的な障害となる場合、無罰で救済が受けられる。しかし、今回のようなどうやっても打てない状況など、異常なコース状態以外の理由で球をあるがままにプレーするのが明らかに不合理な場合、救済はない(規則16・1a)。

残念ながらカート道に足がかかっているだけでは物理的な障害とみなされず、無罰での救済は受けられない。アンプレヤブルを宣言するのが無難な選択と言えるだろう。

正答率24%! ショット後、同伴競技者にグリーン上の風についてコメントした場合、アドバイスになる?

同伴競技者への助言は2打罰となるが、教える内容によってはアドバイスとみなされない情報もある。下記問題のシチュエーションははたしてアドバイスに該当する? 正答率は24%となっている。

「残り120ヤード地点からのセカンドショット。真っすぐピンに向かって飛んでいた球が、グリーン手前から急に左に曲がってしまう。それを見て、同伴競技者に『グリーン上空は左への風が強い』とコメントしたところ、『アドバイスになるのでは?』と指摘されてしまった」

正しい答えはどちら?

【1】天候についての情報なのでアドバイスにならない

【2】アドバイスになって2打罰

画像: 同伴競技者のショットのあとに風についてコメントした。これってアドバイス?

同伴競技者のショットのあとに風についてコメントした。これってアドバイス?

正解は、【2】の「アドバイスになって2打罰」。アドバイスとはプレーヤーに影響を及ぼすことを意図した口頭によるコメントや行為のことであるが、公開されている情報やコース上のものの位置、2点間の距離はアドバイスにならない(定義)。ただし今回のケースのように、コース内の所定の位置の風向きなど公開されている以上のものを教えるとアドバイスになり、2打罰が科せられる。

正答率21%! 球をリプレースする前に、もともと球の下にあった落ち葉を取り除いた。どうなる?

そしてもっとも正解率が低かったのは、リプレース時のルースインペディメントの扱いに関する問題で、なんと正答率21%。あなたは果たして正解できる?

「セカンド地点に、自分のものと思われるボールがあったが、落ち葉に埋もれて判別ができなかった。そこで、確認のためボールを拾い上げたところ、自分のものと判明。その後、リプレースする前に『落ち葉はルースインペディメントだから……』と地面にあった落ち葉を払ったところ、同伴者から指摘されてしまった」

画像: 落ち葉に埋もれたボールを拾い上げて確認すると、自分のものと判明。リプレースする際に地面の落ち葉はルースインペディメントとして取り除ける?

落ち葉に埋もれたボールを拾い上げて確認すると、自分のものと判明。リプレースする際に地面の落ち葉はルースインペディメントとして取り除ける?

正しい答えは?

【1】罰なしでそのままプレー

【2】罰なしで落ち葉を元に戻してからリプレース

【3】1打罰でそのままプレー

【4】1打罰で落ち葉を元に戻してからリプレース

正解は、【3】の「1打罰でそのままプレー」。ルースインペディメントは罰なしで取り除くことができる。ただしグリーン上以外では、今回のように1度拾い上げた球をリプレースする前に、元々球の下にあったルースインペディメントを取り除くことは認められない。誤って取り除いた場合は1打罰を受けるが、ルースインペディメントを元に戻す必要はない(規則15-1a)。

あなたの正答率はいかがだっただろうか? 正しいルールを身につけて、2021 年もゴルフを楽しもう!

※各クイズの正答率は2020年12月23日15時00分時点の集計結果を参照。

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