弾道計測器や3Dモーションキャプチャーなどのテクノロジーの進化により、スウィングの“常識”はここ数年で大きく変化しつつある。そんなスウィング新時代の“新たな基本”を、気鋭のコーチ・目澤秀憲に教えてもらおう。第五回はテークバック!

「PGAツアーのプロたちのプレーを見ると、ターゲットにスクェアに立って真っすぐのボールを打つ選手はほとんどいません。彼らは、意図した弾道を打つために自分にとって気持ちよく打てるボールの位置やスタンスの向きを知っている。アマチュアのみなさんも、体の可動域や筋力、手足の長さなど千差万別なのでスウィングも他人と違っていい。自分だけのスウィングの基本を身につけることが大切なのです」(目澤)

画像: 左から頭を右ひざの上に置く右軸タイプのダスティン・ジョンソン、センター軸のタイガー、左に軸を置くデシャンボー(写真/姉崎正)

左から頭を右ひざの上に置く右軸タイプのダスティン・ジョンソン、センター軸のタイガー、左に軸を置くデシャンボー(写真/姉崎正)

その“タイプ”は、大きく左軸、センター軸、右軸の3つに分けられる。右足、左足、真ん中、それぞれを軸にインパクトの形で座布団などの重たいものを押したとき、もっとも力が出せるのがあなたに合う“軸”だ。

そのタイプごとに適したテークバックのやり方、まずは左軸タイプから教えてもらおう。

「左軸タイプは、左肩を下げながら右サイドを伸ばすような意識を持つとスムーズにテークバックできます。左肩が下がり過ぎかな? とか考える必要はありません。左肩を下げるようにテークバックすることで左股関節の内側に軸をキープできます。クラブの軌道はインサイドアウトになるので、地面とクラブが平行になる位置でヘッドがターゲットに対してややインサイドに入ることが目安になります」

左軸タイプはインサイドアウト軌道で振りやすいため、スタンスもややクローズスタンスでボール位置はスタンスの真ん中寄りに置くと打ちやすい。頭はボールの真上に置いたままテークバックするのが目安だ。

それに対してセンター軸タイプはもっともスクェアなタイプで、地面とクラブが平行になる位置でターゲットに対して平行で、フェースの向きもスクェアになると覚えておこう。

「タイガーをお手本に、右ひざの位置がズレれないように意識しながら右の腰を後ろに引くように動かしていきます。体幹部分がしっかりとねじられるので上下の捻転差が大きくなります。ある程度体力が必要になるので体が硬かったり体力に自信のない人は下半身を止め過ぎないようにしましょう」

最後に右軸タイプは、始動で頭や腰を右方向に動かすことをきっかけにするプレーヤーが多く、動かし方は自分の好みでいいと目澤コーチ。

「右軸タイプは鈴木愛選手やダスティン・ジョンソンなどテークバックの始動で右への移動をきっかけにするのが自然な動きです。右股関節の内側に軸を感じその上で胸や肩が回るように意識するとスムーズにテークバックできます。地面とクラブが平行になる位置でヘッドはターゲットラインよりもやや外側に上がります」

画像: テークバックでクラブが地面と平行になった位置で比べると、左から左軸タイプはややインサイドに上がり、センタータイプは平行、右軸タイプはやや外目に上がる

テークバックでクラブが地面と平行になった位置で比べると、左から左軸タイプはややインサイドに上がり、センタータイプは平行、右軸タイプはやや外目に上がる

3つのスウィング軸のタイプによって始動のきっかけや意識する体の動きも変わってくる。大きく3つのタイプに分けて説明しているが、センター寄りの右軸やセンター寄りの左軸など、実際はかなり細分化される。人と違うことを恐れず、自分なりの動きやすい軸になる位置を探すことも重要だ。ともあれ3タイプのテークバックを試してみて、一番上手くいくやり方を探してみよう!

取材協力/Five elements

This article is a sponsored article by
''.