「人間は機械じゃないので、日々スウィングは変わります。だから購入してしばらく経って『曲がる球が増えた』というのは上達してスウィングが良い方向に変わっているから、という可能性があります。もちろん反対の可能性もありえますが(笑)」
そう話すのはクラブフィッター・菅野崇氏。購入して3カ月、半年、1年と使っていくとミスショットが増え「運命のドライバーだと思ったのに……」とガッカリしてしまうが、それは当たり前のことのようだ。
「夏と冬でも振り心地は違いますし、年齢を重ねるごとに体の変化は必ずやってきます。でも、そのたびにクラブを買い換えるのは大変。だからこそ、体調を崩したら病院に行って薬を処方してもらうように、ゴルフクラブも”定期健診”が大切です。プロだって試合のたびに調整して、今の自分自身の状態に合わせるわけですから」
プロの場合契約メーカーが手厚いサポートをしてくれるが……アマチュアの場合はどうすればいいのだろうか。菅野氏は「できればゴルフ工房に足を運んで、具体的にミスショットしたときの様子を話してもらいたい」という。
「たとえば、ラウンド中にドライバーで右に曲がる球が出たとします。『どういう状況で、どう打ったら、こういう結果がでた』というようにミスしたときの具体的な状況を教えて頂きたいなと思うんです。フィッティングなり、試打なり、一度は結果を出して購入しているクラブなんですから、スウィングを変えずに鉛やグリップを変えるだけでいい方向に進む可能性は十分にある。ミスの状況が把握できれば、必ずなにかアドバイスや対策を提案できます。ぜひ、気軽に相談してもらいたいですね」
具体的にどんな調整方法があるのだろうか?
「簡単に調整するのであれば"鉛"を貼るという方法があります。もちろんゴルファーによって貼る場所やグラム数は変わりますが、右に曲がる場合はヘッドのヒール側に4グラム貼るだけで振り感は変わりますし、つかまりやすくなる可能性はあると思いますよ。ほかにも可動式ウェートを移動させたり、カチャカチャを変更するだけで意外といいきっかけになることだってあるんです。単純に、グリップがツルツルになってるだけ、なんてこともありますよ」
今はラウンド中でもスマホですぐに撮影できるから、コースでの実際のスウィングを仲間に頼んで撮影しておくというのもひとつの手かもしれない。「最近ドライバーが全然当たらない!」と思ったら、まずは近くのゴルフ工房にドライバーを持ち込んで、相談してみては?