ゴルファーであれば、ドライバーを複数本持っていることは特段珍しくない。ニューモデルにスイッチした際に元々使っていたモデルを手放さずに確保していたり、懐に余裕があれば、気になるドライバーをいくつか購入するというゴルファーも一定数いるだろう。
そんな中で、かなり珍しいドライバーの買い方をしているのが、ギア好きゴルフライターの田島基晴氏。田島氏は気に入ったドライバーが見つかると「同じスペックのドライバーヘッドをもう1個購入」するのだそう。
ゴルフクラブには昔に比べて小さくなったとはいえわずかな誤差(公差)もあるため、田島氏の場合は「リアルロフト10.5度、フェース角マイナス1度くらいが好きなので、それに近いものを2つ用意しています」という。最近でいえば、昨年テーラーメイドのSIM MAXを購入し、一度手放したあとで再び購入、その後もう1本買い足したという。同じドライバーを1年間で3本買った、ということになる。
昨今のドライバーの多くは“カチャカチャ”が搭載されており、ある程度の調整が可能となっている。そんな中であえて同じスペックのドライバーヘッドを2つ購入する理由について、田島氏は「いつでも戻れる“セーブポイント”を用意するため」だと話す。
「気に入ったドライバーがあれば、ヘッド重量を調整してみたりシャフトを替えたらどうなるのかなど、いろいろ試してみたくなるものです。でも、いろいろイジるときにヘッドが1個だけだと元の状態がわからないので、結局『なんか良い感じがする』で終わっちゃうんですよね。そんなときに、カスタマイズは2本目で試し、1本目はイジらず自分が良いなと思った状態のままで確保しておくんです」(田島氏)
そうすることで、調整の結果が芳しくなくてもすぐ元のスペックに戻せるし、打ち比べて調整の良し悪しもジャッジしやすいというわけだ。昨年はテーラーメイドのSIM MAXドライバーを2本手元に置いておき、1本は前述したように調整を加えず、2本目は「鉛を貼ったり、可変ウェートの重量を変えてみたり、短尺シャフトを入れてみたりと、いろいろカスタマイズして、1本目と打ち比べていました」という。
もちろん弾道計測器が設置された屋内練習場で計測しつつ、1つのヘッドで打ち比べることも可能だが、「手元に2本あるほうがより違いがわかりやすいですし、カチャカチャでイジるひと手間で同伴競技者に迷惑をかけないですから、コースでも気軽に打ち比べることができますよ」と田島氏。
とはいえデメリットというか課題もある。お金がかかるということだ。この点に関して田島氏は、「とくにニューモデルが登場すると従来モデルは値段が安くなることがあるので狙い目です!」という。
色んな調整を試してみたいギア好きゴルファーは……思い切って試してみる価値がある、かも。