クラブが進化し、弾道計測器などのテクノロジーで弾道やスウィングの秘密も可視化されてきた現代。そんな時代の“新たな基本”を気鋭の指導者・目澤秀憲に教えてもらおう。第8回は「フォロー」がテーマ。

ゴルファーは、「右軸タイプ(代表:ダスティン・ジョンソン)」「センター軸タイプ(代表:タイガー・ウッズ)」「左軸タイプ(代表:ブライソン・デシャンボー)」に大きく別れ、それぞれのタイプに合ったスウィングをすることが上達に直結するというのが目澤の基本的な考え方。

自分がどのタイプかは、座布団やインパクトバッグなどを叩き最大に力を発揮できる形によって判別できる。右足を軸にしたとき、左足を軸にしたとき、その中間……どの体勢でもっとも力を出せるかをチェックしてみよう。

タイプが違えばグリップもアドレスも、スウィング中の動きも変わってくる。もちろん、フォロースルーしかりだ。

「一番わかりやすいのは軸のタイプによって体の右側のサイドベンド(側屈)の度合いです。軸がボールから遠い右軸タイプのダスティン・ジョンソンは右肩が下がり側屈が強く表れています。センター軸のタイガーは中間で、左軸のデシャンボーは側屈の度合いが弱くなります」

画像: 画像A 右軸タイプのダスティン・ジョンソンは右サイドの側屈が強く残り、センター軸タイプのタイガーは中間、左軸のデシャンボーは早めに右肩が上がり側屈の度合いは少ない(写真/姉崎正)

画像A 右軸タイプのダスティン・ジョンソンは右サイドの側屈が強く残り、センター軸タイプのタイガーは中間、左軸のデシャンボーは早めに右肩が上がり側屈の度合いは少ない(写真/姉崎正)

側屈とは、地面付近にあるボールを打つゴルフスウィングでは、前傾した姿勢で構えテークバックでは左側、フォローでは右側のわき腹を縮めて肩をタテに使う動きのこと。「気をつけ」の状態では側屈はゼロ。そこから右真横に体を倒した状態が体が右に側屈した状態だ。この度合いが、タイプによって異なると目澤。タイプごとに見ていこう。

「デシャンボーが代表の左股関節内側に軸を取る左軸タイプは、切り返し以降縦方向にかけた地面への圧力を回転力に変換し、そのまま一歩踏み出すくらい左サイドに重心を乗せていきます。結果、フォローでは胸を反らせるような形になり側屈は少なくなります」

左軸タイプは、センター軸タイプや右軸タイプに比べて右肩がボールの位置を通過するタイミングが早くなる。インパクト後は前傾角度を無理にキープしようとせず、積極的に胸を開くようにして体を起こすと、スムーズに回転できる。続いてセンター軸タイプはどうか。

画像: 画像B 右軸タイプは肩が縦回転し右肩が下がるくらいの意識で振り抜き、センター軸はインパクト後に左へ重心を移動する分少し側屈は残る。左軸タイプは早いタイミングで右肩がボールの位置を通過し胸を反るように右肩も上がっていく

画像B 右軸タイプは肩が縦回転し右肩が下がるくらいの意識で振り抜き、センター軸はインパクト後に左へ重心を移動する分少し側屈は残る。左軸タイプは早いタイミングで右肩がボールの位置を通過し胸を反るように右肩も上がっていく

「左軸タイプに比べ、インパクト後に少し長く体がセンターに残ります。その分少し側屈を残しながら(前傾角度をキープしたまま)フォローへと振り抜く形になります」

センター軸タイプは、センター軸のままインパクトを迎え、その後フォローにかけて左サイドに重心が移っていく。そのため、左軸タイプに比べて前傾角をキープする時間が長くなるため、やや側屈状態でのフォローとなる。最後に右軸タイプだ。

「ボールから一番遠くに軸を取るため、インパクトでのハンドファーストの度合いは一番強くなり、右サイドの側屈も強く入ります。側屈を残したままフォローへと抜けていくので、フォローでは右肩が下がっているように見えて正解です」

右軸タイプは切り返しでの左への移動が少なく、フォローまで右サイドに重心が残るくらいの意識でオッケー。必然的に、フォローでも前傾角度をキープした(=側屈の入った)状態になりやすいのだ。

選手によって、インパクト後も前傾角度をキープし続ける選手、インパクト後すぐに体を起こす選手にわかれる。これはスウィング軸のタイプの違いによって生じる個性の違いで、自分のタイプを知っていれば自分にはどのような動きが適しているかがわかる。それを知らずに、動きだけ真似をするとスムーズなスウィングを阻害する可能性があるわけだ。

撮影協力/Five elements

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