マイク・アダムスときいてピンとくる日本のゴルファーはそう多くはないのではないだろうか。しかし、彼は全米トップ100インストラクターのトップ10常連で「ティチャー・オブ・ティーチャー(先生の先生)」とも呼ばれる米国ティーチング界の大物。ゴルファーの体型や身体的特徴をもとに最適なスウィングを提案するメソッドが高く評価されているティーチングのプロフェッショナルだ。
そのマイク・アダムスを2020年2月に日本に招き、ティーチングプロを対象としたセミナーを開催したのがゴルフスタジオ・パフォーマンスゴルフスタジオ(PGST)のヘッドコーチを務めるノリーこと堀口宜篤。その縁もあって、今回アンバサダーに就任したようだ。
堀口は、マイク・アダムスの教えをこう説明する。
「マイクが提唱するメソッドは、プレーヤーそれぞれの身体的特徴を生かしたスウィングを提案する『バイオスウィングダイナミクス』というもの。個性的なスウィングを否定することなく、流行りのスウィングにも流されることなく、プレーヤー個人にマッチしたスウィングに導くというものです。インストラクターとして、彼らから学ぶべきことが多くあり、日本でも広められたらと思っています」(堀口宜篤プロ)
たとえば、ゴルファーの身長と両手を広げた腕の長さの割合からは、トップの位置の傾向がわかり、上腕と前腕の長さの割合からはダウンスウィングのプレーンの傾きの傾向がわかるなど、最新機器を用いて数万人にも及ぶサンプルデータをもとに傾向を割り出し、それに合わせた最適なスウィングを提案するというのが彼らのメソッドだ。
では、そのアンバサダーとして堀口はなにをするのか。もちろん、アマチュアゴルファーに教えるのがひとつ。同時に、「日本のインストラクターに役立ててもらいたい」というのがアンバサダーに任命された意図だという。
最新の計測器を用い、そこから得られた膨大なデータを元に作り上げた理論は世界最先端。ゴルフスウィングの研究はテクノロジーの発達にともなって日進月歩で、やはりその研究の本場はアメリカだから、その最新理論が日本で触れられる意義は小さくない。アマチュアゴルファーにも、回り回って恩恵がある、かもしれない。