弾道計測器などテクノロジーの進化により、スウィングの秘密も可視化されてきた現代。そんな時代の“新たな基本”を気鋭の指導者・目澤秀憲に教えてもらおう。第9回は「ドラバーとアイアンの違い」がテーマ。

ドライバーとアイアンのスウィングは同じか? 違うか? という議論は昔からあるが、目澤いわく高くティアップをしたボールを打つドライバーと地面にあるボールを打つアイアンの大きな違いは、クラブの「最下点」にあるという。

「レベルからアッパー軌道でボールをとらえるドライバーではクラブの最下点はボールよりも手前になり、ダウンブローでとらえるアイアンでの最下点はボールよりも先になります。この最下点の位置をコントロールすることがドライバーとアイアン、両方のクラブを打ちこなすコツになります」(目座秀憲コーチ)

画像: クラブヘッドの最下点はドライバーではボールよりも手前になり(左)、アイアンではボールより先になる(写真/姉崎正)

クラブヘッドの最下点はドライバーではボールよりも手前になり(左)、アイアンではボールより先になる(写真/姉崎正)

では最下点をコントロールするには一体どうすればいいのか? スウィングを変えるのではなくアドレスのセットアップを変えることが重要だと目澤は言う。

「スウィングタイプ、打ちたい弾道によってボールの位置やスタンスの向きは変わりますが、基本的にドライバーの場合、ボールは左足寄りにあって頭はボールよりも右に置きます。一方アイアンの場合、ボール位置はスタンスの幅が狭くなることもあり左目の下くらいが目安。スウィング中にこのボールと頭の位置関係をキープすることでナチュラルに最下点をコントロールできます」

画像: ドライバーではボールは左足寄りで頭はボールよりも右(左)、アイアンでは左目の下くらいにボールを置き、スウィング中にボールと頭の位置関係をキープすることでクラブの最下点をコントロールする

ドライバーではボールは左足寄りで頭はボールよりも右(左)、アイアンでは左目の下くらいにボールを置き、スウィング中にボールと頭の位置関係をキープすることでクラブの最下点をコントロールする

クラブの最下点をコントロールするということはボールに対する入射角をコントロールするということ。最下点がボールの手前ならば入射角はレベルかアッパーに、最下点がボールの先なら、ダウンブローになるわけだ。

では、ボールの最下点を意識してボールと頭の位置のセットアップを決めたあと、スウィングではどんなことを意識すればいいのだろうか?

「スウィング中はアドレスで作ったボールと頭の位置関係をキープして打ちますが、インパクトの胸の向きを意識するとクラブの入射角をイメージしやすいです。アイアンの場合は、胸を下に向けるとヘッドがボールに向かって下りるように意識しやすくドライバーの場合は、振り抜く方向に向けて少し胸を開くというか、上を向くように意識するとクラブの動きをコントロールしやすいですよ」

ドライバーとアイアンでは適正な入射角が異なる。そして、入射角をコントロールする=最下点をコントロールするためには、クラブごとに正しいセットアップをすること、そしてスウィング中は胸を下に向けるか、上を向けるかを意識することが近道だ。

新進気鋭のコーチの教え、練習場で試してみてはいかがだろうか。

撮影協力/Five elements

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