みなさんはアイアンを選ぶとき、どんなことを基準にしていますか? 打感、飛距離、操作性……色々好みはあると思います。もちろんそういった性能面や実際の試打結果も大事ですが、それと同じかそれ以上に、構えたときの見え方も重要ですよね。
アイアン選びで僕が重視しているのは、アイアン全体の顔の流れがスムーズかどうか。とくに注意深く見るのは、7番と8番の見え方の違いです。
その理由は、番手間で顔が一番変わるのが7番と8番の間だから。というのも、アイアンって7番から上はアイアン的な顔なのに対し、8番から下はPW寄りの顔になってくるんです。なのでちょうど境目となる7番と8番は顔つきに違いが出やすいんですよ。
7番、8番といったミドル・ショート番手って、大多数の方はコンボではなく、同じモデルを採用していると思います。で、「同じモデルを採用しているんだから、当然顔の流れも整っているだろう」とあまり意識していないんじゃないかなと思います。でも、ちょうど境目となっている7番と8番間の顔がキレイな流れで整っているモデルって、なかなか少ないんです。
8番がPW寄りの顔なほどボールをトップブレードが丸みを帯びてボールをつかんでくるような見え方になり、結果スクェアに構えづらくなってしまうんですが、この7番と8番の顔の流れをすごく上手に作っているなと感じるのが、国産アイアン。とくに三浦技研の手掛けたアイアンやミズノのMPシリーズなんかはとてもキレイです。
写真A左は三浦技研の「TC-201」アイアンの7番、写真A右が同モデルの8番です。ロフトの違いによってフェースの見え方には差がありますが、見比べてみると8番はネックからトップブレードまでのラインも違和感が減るように調整されていますし、トップブレードの逃げ方もすごくキレイで、7番からつながる番手としてスクェアに構えやすい形状になっているんですよね。
こういったアイアンの流れをスムーズにするための工夫って、国産メーカーならではなんじゃないかなと個人的に思っています。もちろん海外ブランドのアイアンが見た目や番手間の流れを重視していないとは思いませんが、国内メーカーのモデルのほうがよりきめ細やかな気配りで7番と8番の間の違和感を消してくれていると感じるんですよね。
もちろん顔の好みはゴルファーによって違うので、8番以下のショート番手はPWっぽい見た目が良い、という方もいらっしゃるでしょう。なのでアイアン選びの際は、7番と8番の見た目を見比べることをオススメします。もっとも番手間の違和感が生じやすい部分をあらかじめチェックしておくことで、より自分に合ったアイアンセットに出会えると思いますよ。