テーラーメイドの2021年ニューモデル「SIM2」シリーズには、SIM2、SIM2マックス、SIM2マックスDと3種のドライバーがラインナップされている。それぞれ前作を踏襲したモデル名となっているがSIM2ではどのような性格付けがされているのだろうか。
それをたしかめるべく、プロゴルファー・中村修と堀口宜篤がSIM2ドライバー3モデルを試打。試打スペックは、SIM2が9度、SIM2マックス、SIM2マックスDが10.5度。3モデルともすべて純正シャフトのSフレックスを装着して試打を行った。
まずは低スピン性能を重視したSIM2から見ていこう。SIM2を構えた堀口は「見た目は前作のSIMとあまり変わらない印象です」というが、打って驚いたのが「打感の柔らかさ」だという。
「打感がめちゃくちゃ柔らかいですね。前作のSIMにあった硬さがなくなっていて、ボールがフェースに乗っている感触がありますね」(堀口)
続いてSIM2を打った中村も、堀口同様打感の柔らかさを評価。「前作のSIMと比べて寛容性も挙がっている感じがします」と中村。
続いて試打するSIM2マックスは弾道の直進性と安定感を重視したモデルという位置づけ。構えた見た目も「少しフェースが見える感じの顔で、つかまる安心感がありますね」と堀口。実際に打ってみると「コレ、めちゃくちゃ良いですよ」と驚く。
「SIM2マックス、めちゃくちゃ良いです。僕はもともとフェード打ちですが、SIM2マックスだとすごく楽につかまったフェードが出ますね。SIM2よりもやはりつかまり性能は高いです」(堀口)
中村はSIM2マックスを「ピーキーさがないやさしいモデル」と評する。
「おそらくSIM2シリーズの3モデルの中でもっともスタンダードな性能を持っていると言って良いのではないでしょうか。適度なつかまりもそうですし、前作SIMマックスより寛容性も高まっているように感じますね」(中村)
そして3つ目のモデル、SIMマックスDはドローバイアス設計。構えた見た目は「SIM2マックスよりも少しアップライトに感じますね」と堀口。打ってみた感想はどうだろう。
「やはり振るとつかまってきますね。ドローが打ちやすいドライバーと言って良いでしょう。3モデル通して、フェード回転の度合いがSIM2、SIM2マックス、SIM2マックスDの順で少なくなっていますね」(堀口)
中村もSIM2マックスDのつかまり性能を素振りの段階で既に感じたという。
「ただ振っているだけでもフェースが返ってくる感触が伝わってきます。性能的には日本市場向けに発売されたSIMグローレの流れも取り入れている感じがします。実際に打ってもしっかりつかまってくれますね。あと、これは3モデルに共通して言えることですが、打感が柔らかい。デザインが変わっていても手に伝わる感触は変わらないですね」(中村)
ターゲットがはっきりして、より選びやすくなった
全3モデルの試打を終え、中村は「SIM2シリーズは前作以上にしっかりセグメントされて、自分に合ったモデルを選びやすくなっている」と感じたと言う。
「前作SIMシリーズ3モデルのうち、SIMドライバーにはウェート調整機能が搭載されていましたが、SIM2シリーズではすべてのウェートが固定式です。そのぶんよりヘッドごとにしっかりと性格付けすることで、より自分に合うモデルを選びやすくなったと言えるでしょう」(中村)
性能を端的に表現するなら、SIM2マックスは寛容性のあるスタンダードモデル。低スピン性能を求めたSIM2、つかまり性能の高いモデルがSIM2マックスDだと中村。今後試打する機会があれば参考にしてみてはいかがだろう。
取材協力/PGST