昨年秋開催の海外メジャー「マスターズ」では優勝候補とも言われつつも、34位フィニッシュと満足のいく成績は残せなかったブライソン・デシャンボー。だが彼は、オーガスタの地での経験を通して「アマチュアの助けになる3つの発見」があったと海外メディアで語った。その内容とは?

ブライソン・デシャンボーが海外メディアで語った「アマチュアの助けとなる、オーガスタでの3つの発見」。それは、「低スピンのアイアンショット」「欲張らないマネジメント」「かんたんなグリーンの読み方」の3つだ。順番に見ていこう。

1つ目は「スタンスの工夫で簡単にできる低スピンかつ鋭いショットの打ち方」だ。

画像: ブライソン・デシャンボーがオーガスタの経験を通じて発見した、アマチュアに役立つ3つのこととは?(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

ブライソン・デシャンボーがオーガスタの経験を通じて発見した、アマチュアに役立つ3つのこととは?(写真は2020年のWGCメキシコ選手権 撮影/姉崎正)

デシャンボーはオーガスタのパー3の多くで、普段よりもわずかにボールが右寄りになるようスタンスを調整してプレーしていたという。そうすることで「低スピンかつ鋭いショットが打てる」と言う。

ボールを少し右側に置くことで、ロフトが少し立った状態でインパクトすることになる。すると中弾道低スピンの棒球を狙って打つことができる。“ライン出しショット”のイメージで、いかにもプロの技というイメージだが、本当にアマチュアも真似できるのだろうか? プロゴルファー・中村修は「状況次第で試す価値がある」という。

「ボール位置の目安は普段よりボール半分~1個ぶん右へズラす程度。ロフトを立てて当てようと頭が左に突っ込むとミスの原因につながります。あくまで頭の位置はボールより左側に出ないよう注意して、あとは普段通りに振るのがポイントです」(中村)

そして2つ目にデシャンボーが挙げたのは、「欲張らないマネジメント」。昨年のマスターズでは欲が出た結果として、より悪い状況に陥ってしまったと振り返り、アマチュアにも自身のプレーを教訓にしてほしいと語る。

大切なのはミスを取り返そうと躍起にならずに、受け入れて先へ進むこと。これがプロはもちろんアマチュアにとっても「最善の方法」だという言葉に、中村も同意。その上で、アマチュアが意識すべき点は「ピンがどこに切られているか」だ。

「とくにピンがグリーン端であったり、池やバンカーなどハザード付近の場合、または砲台グリーンのときは、『ピンのニアサイド(右ピンならグリーン右、左ピンならグリーン左)に外さない』ことを意識してみてください。欲張ってピンを狙って近くに外すと、難しいアプローチが残ってしまいます。打つ前にピンが難しい位置に切られているか、外すとどうなるかを見極めることが必要です」(中村)

そして3つ目は「もっとも簡単なグリーンの読み方」。マスターズでは通常のトーナメントと異なり、グリーン上・周辺の傾斜や芝目などの詳細に特化した「グリーンブック」の使用は認められていない。したがって、普段からグリーンブックを参照しつつ状況判断を行っているデシャンボーからすれば、オーガスタではラインの読み方も普段とは異なるアプローチが求められていた。

デシャンボーはオーガスタでの経験から、アマチュアにもアドバイス。もっともシンプルなライン読みの手がかりとして、グリーンに着いたらすぐに「周辺の高くなっている場所」を探してみてほしいと話す。

グリーン上、あるいはグリーン周辺に高くなっている場所があれば、その逆に低くなっている場所もあるはず。高低差があればその間には傾斜が生まれ、ライン読みの材料になる。ゆえにまずは高い場所を見つけ出すことが重要となるわけだ。

これは「グリーンを読むための基本中の基本と言えます」と中村。

「ボールの転がるスピード、曲がる幅、これらは傾斜によって影響を受けます。グリーンに向かいながら形状を確かめ、カップはその傾斜に対してどの位置にあるのかを見極めましょう。まずグリーンの一番高いところを見つける。これはどのレベルのゴルファーもやるべきです」(中村)

これら3つのデシャンボーのアドバイスは、「すべてアマチュアゴルファーにもそのまま当てはまる内容」だと中村。ラウンドの際は参考にしてみてはいかがだろうか。

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