最近では試打をしてからクラブを買うのがすっかり当たり前になりましたよね。
ショップの試打室で何本かのドライバーを何球かずつ打ち比べてもっとも結果が良かったものを買う……一見すごく合理的に見えますよね。でも、この選び方はちょっぴり危険だと私は思っています。
これは私自身の体験談なのですが、ショップでの試打って、スタッフの方が明らかなミスショットは「今のなし」にしてくれちゃったりするんです。「もう1球お願いします」なんて言ってくれたりして。それで、バカバカ打っていると一発“今日イチ”みたいな当たりが出る。すると、「すごいですね! 280ヤード飛んでますよ」なんておだててくれたりします。つい嬉しくなっちゃいますよね(笑)。よし、これに決めた! って思います。
でも考えてみると、本番のラウンドで「今のなし」はありません。試打室で明らかなミスのあとに出た会心の280ヤードショットは、コースでは打ち直しの3打目かもしれないんです。もちろん、「3打目だろうが5打目だろうが関係ない! 最高の1打が打てれば余は満足じゃ」と思うならばそのクラブが最適。ですが、私はコースで1打でもストロークを削りたいタイプ。三振か、ホームランかといったクラブはベストな選択肢でありません。
また、計測器でいい数字が出るショットは、実はコースではあまりいい結果にならないという事情もあります。計測器はスピンが少ないほうがいい数字が出るケースが多いため、チーピン寸前の打球が一番飛んだりするんです。280ヤード飛んだ! と思って鼻の穴を広げて画面をよく見ると、左に40ヤードズレてたりして(笑)。
ではなにを選べばいいのか。答えは簡単で「今のなし」が出ないクラブです。飛距離や曲がる方向が一定で、再現性高く打てるもの。そのなかで飛距離が出て、曲がりが少なければ最高です。
ただし、こういったドライバーは往々にして「今のなし」があるクラブに対して、一発の飛びでは劣ったりします。計測器で一番飛んでるクラブを諦める……これはめちゃくちゃ勇気が要ります。ただ、「飛ばない」といってもそれはMAX10ヤード程度のこと。セカンドを1番手上げれば済む話ですし、それも18ホールに1度あるかないかの確率に過ぎません。
最新ドライバーを試打する際は、頭の片隅にこのようなことを置いておくと、せっかく買ったのに3カ月後には中古ショップ行き……なんてことが防げるかもしれませんよ!