キャロウェイの新たなエピックシリーズの発売以降巷で話題となっているのが、3モデルあるドライバーのうち「エピックマックスLS」が持つ低スピン性能だ。実際にエピックマックスLSを純正シャフトのSフレックスで試打したプロゴルファー・中村修と堀口宜篤の両名は「今までにないくらいの低スピンヘッドと言えます」と口を揃える。
そもそもドライバーショットでスピン量が減ることによるメリットをおさらいしてみると、曲がり幅が減少しアゲンストに強くなる。ランが増えて飛距離も伸びるといったところ。
ただその一方で、弾道の高さが出づらくなりドロップの危険性が生まれるというデメリットも当然ある。そのため、モデルによっては逆にある程度スピンが入るのがウリな場合もあるから、一概にスピンが多ければ悪い、少なければいいというものでもないのだが、少なくともエピックマックスLSは「低スピン」をかなり強く打ち出したモデルであることは間違いない。
そして、ゴルフクラブはヘッドとシャフトの組み合わせによっても特性が変わってくるのはご存知の通り。では、低スピンヘッドに低スピンシャフトを組み合わせたらいったいどんな結果が生まれるのだろうか。それをたしかめるべく、中村・堀口の両名にテストを行ってもらった。
数あるシャフトの中から2人が選んだのは、フジクラ「ベンタスブラック」。PGAツアーの選手たちに人気のシャフトで「ハリがあって先端部の剛性が高いため、ブレが少なく余計なスピンが入らないことが選んだ理由」だと中村。
テストでは50グラム台Sフレックス、シャフト長さ45.5インチのモデルを用意。エピックマックスLSは9度のモデルを用意し、ロフト調整機能を活用しつつテストした。なお、ヘッドスピードは45~46m/s程度の振り感で試打を行ってもらった。
まずはロフト9度、50グラムSフレックスの組み合わせから試す2人。さっそく両者の試打結果の平均値を見てみよう。
【中村のロフト9度・50グラム台Sフレックス試打結果】
キャリー256ヤード トータル286ヤード 打ち出し角11.9度 スピン量1974回転
【堀口のロフト9度・50グラム台Sフレックス試打結果】
キャリー253ヤード トータル283ヤード 打ち出し角12.3度 スピン量1783回転
「私はエースドライバーで計測するとスピン量が2800~3000回転ほどと、スピンがやや多くかかるスウィングタイプなんですけど、ざっくり1000回転は落ちていますね。やはり低スピン性能は非常に高いです」(中村)
一方の堀口は元々スピン量が2000回転台前半に収まるスピンの少ないスウィングタイプ。そこからさらに約200回転ほど減少する結果となった。
「9度とロフトの立った設定ですけど、低スピンかつ打ち出し角も十分ありますね」と堀口。やはり、スピンが少ないという口コミが多く集まるエピックマックスLSに、スピンが少ないベンタスブラックの組み合わせは相当な低スピンになる。ただ、「ロフトが立っているという意識から球が逃げるようなイメージを抱きやすい」と両者は口を揃える。
一方ロフト調整機能を用いて10度に寝かせると「フェース面が若干見えてくるので構えた時の安心感や打ちやすさはある」と堀口。
【中村のロフト10度・50グラム台Sフレックス試打結果】
キャリー262ヤード トータル284ヤード 打ち出し角12.4度 スピン量2426回転
【堀口のロフト10度・50グラム台Sフレックス試打結果】
キャリー254ヤード トータル276ヤード 打ち出し角13.3度 スピン量2284回転
試打データではロフトが寝たことで打ち出し角も少し高くなるが、そのぶんスピン量は若干増える結果となった。エピックマックスLSの低スピン性能をとことん活かし、飛距離に特化するなら9度、安心感を求めるなら10度といったところ。スピンが少ないからこそロフト選びも重要になりそうだ。