結果目標ではなく行動目標にフォーカスしよう
ゴルファーであれば誰もがコースに出ればひとつでも良いスコアでまわりたいものです。「今日はベストを出したい」「今日は〇〇を切りたい」「今日こそは80台を出したい」と。
これはゴルフに限らずどの競技でも同様で、「良い結果を出したい」と考えることは凄く自然です。しかし、そのように結果を意識する思考にはデメリットも多いんです。
たとえばあるゴルファーの方が「今日は80台を出すぞ!」とかなり意気込んでラウンドをスタートしたとしましょう。そして最初のホールでいきなりトリプルボギーを打ったとすると、どうでしょうか? 「うわー、今日もダメかもしれない。なんで最初からミスするんだよ。あれだけ練習したのに。テンション下がるな……」と自己対話(セルフトーク)がはじまり感情もネガティブ側にふれてしまいます。
そして、このネガティブな感情を抱えたままプレーを続けることがパフォーマンス低下につながります。「次もミスしたら嫌だ」「なんでうまくいかないんだろう」などとマイナスな自己対話のループが始まり、脳内では悪いイメージが先行し、良いイメージを描きながらのプレーにつながらないからです。
ここがポイントなのですが、結果思考は結果がついてきているときはポジティブな感情でのプレーにつながる一方で、想定の結果以下になっているときに理想と現状のギャップから「取り返さないと」「このままでは達成できない」と本来不要なプレッシャーやあせりを生み出してしまうんです。
プロの世界であれば結果思考になるのは当然のことですが、仕事ではなく趣味でゴルフをする私たちアマチュアゴルファーも結果思考になりがちで、そのデメリットを受けやすいんです。というのも、ゴルファー同士の会話の中では結果が評価の大部分を占めるからです。
「彼は90台でまわる」「あの人はシングルプレーヤーだ」「私のベストスコアは〇〇」というように、ゴルファーであれば結果を意識して当然という常識が、コースでのパフォーマンスを崩す大きな要因となっていることに気づいているゴルファーは多くはありません。
ですので、私がよくプロアマ問わず薦めるメンタルマネジメントが「スコアを一切意識せずに18ホール、目の前のワンプレーだけをただただ意識してラウンドをする」ことを一度でいいので試してみることです。
これはつまり、結果目標ではなく「行動目標」にフォーカスを続けるということです。1ホール、1プレーで今すべき行動にニュートラルな気持ちで集中する。それを18ホール続けること意識してみるのです。
実際に実践してみると分かりますが、いかに自分が過去のミス、未来の結果への不安、他者評価に気を取られているかが分かりますし、気持ちの浮き沈みの波が小さくなることですごく気が楽な状態でゴルフをすることが体感できるはずです。
気楽なメンタルでプレーするからこそ、自身が練習で打っているボールを打てる状態でプレーでき、最終的には良いスコア、良い結果につながることも多くあります。
「スコアを一切意識せずに18ホール、目の前のワンプレーだけをただただ意識してラウンドをする」ことをまずは一度試してみてはいかがでしょうか。