「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」の最終日、強風の中、永井花奈との3ホールのプレーオフの末、勝利を手にした稲見萌寧。悪天候でも粘りに粘るそのプレーぶりを、プロゴルファー・中村修が解説!

2日目、強風の中6アンダー66で2位に3打差をつけて首位に躍り出た稲見萌寧選手。時折吹き荒れる強風も読み切り、アップダウンのある2打目の距離感もピッタリに寄せ、パットも入れまくる素晴らしい内容でした。

ところが最終日は一転、フェアウェイもグリーンも外し、パットも決めきれずに苦しい展開が続きます。前日に作った3打差のリードを使い果たし、永井花奈、比嘉真美子、森田遥、林菜乃子各選手と団子状態になり終盤へとゲームは進んでいきます。

この苦戦の原因は前日はバッチリだった風のジャッジにあったようです。

「自分の調子は悪くないんですけど風のジャッジが全部逆にハマってしまって全て悪いほうにいってしまったので、そこが止められなかった」(稲見萌寧)

画像: 「明治安田生命レディス」で2021年の初優勝を飾った稲見萌寧(写真は2021年明治安田生命レディス 写真/岡沢裕行)

「明治安田生命レディス」で2021年の初優勝を飾った稲見萌寧(写真は2021年明治安田生命レディス 写真/岡沢裕行)

10番では右へ曲げ隣の15番ホールから脱出しボギーでしのぐ場面もあったり、得意のパッティングもわずかにカップを外れるなど、何度も心が折れてもおかしくない場面が続きます。

とくに14番でボギーを打ち6アンダーで団子状態になったあとの15番からの上がり4ホールは気持ちでパーを重ねる姿が見られました。そして、最終的には永井選手との3ホールのプレーオフを制し、稲見選手が3勝目を挙げました。

稲見、永井両選手には共通点があります。それは、狭いホールでもドライバーで打っていけるドライバーの正確性。そしてパーオン率の高さ。我慢強く、最後まで諦めないところも似ています。プレーオフ3ホール目は同じ位置からのアプローチ合戦で勝負が決まったのが象徴的でしたが、見応えのある我慢比べでしたね。

実際、稲見選手が2勝目を挙げたのは、天候が荒れ2日間競技となった2020年の「スタンレーレディス」。今回の強風吹き荒れる土佐CCでも、大荒れの展開に強い彼女らしい我慢のゴルフで最後に勝利をつかみました。

どのプロキャディに聞いても、稲見選手は「縦の距離感がずば抜けている」と声を揃えます。また、風が吹いても雨が降っても彼女はスウィングリズムが崩れないことも、タフな状況に強い要因といえます。

稲見選手のプレーについてコーチを務める奥嶋誠昭氏に話しを聞きました。

「オフはとくにスウィングを変えることなく、ブラッシュアップしてきました。昨年の全米女子オープンで(海外選手との)飛距離の差を感じて、それ以来トレーニングを積んできた成果が出たのだと思います」(奥嶋誠昭コーチ)

なんでも、キックボクシングのトレーニングを取り入れて体力アップを図ったのだそうです。圧倒的練習量で磨き上げたスウィングに加え、体力面も強化された稲見選手。2021年はまだまだ優勝争いに加わってきそうですね。

画像: DJのスウィング、アマチュアがマネするならどこ? 飛ばせるフェードを打ちたいなら参考にしたい2つのポイント youtu.be

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