現地時間の2月29日~3月3日にシンガポールのセントーサGCタンジョンコースで開催される、2024年USLPGAツアーのアジアシリーズ第2戦「HSBC女子世界選手権」。今シーズンから参戦する稲見萌寧に同行する「チーム稲見」の一人・柳橋章徳コーチに、コースの印象や戦い方を聞いた。
画像: 稲見、小暮コーチ兼キャディと

稲見、小暮コーチ兼キャディと

会場のセントーサGCは、男子ツアー(日本ゴルフツアー機構とアジアンツアーの共同主管で行われたSMBCシンガポールオープン)も開催していたし、昨年はLIV(LIVゴルフ・シンガポール)の試合もやっています。

コースの印象は、グリーンがとにかく大きくて、傾斜もそこそこあります。スピードはめっちゃ速いってほどでもないですけど、バミューダ系のアジアの芝って感じで、けっこう砂を多めに撒いてて、前に滑っちゃうような感じのグリーンですね。なかなかスピンが入りづらくて、ファーストバウンドが前に行っちゃう系っていうか。

画像: 「大きすぎるグリーンに手を焼くかも」と柳橋コーチ

「大きすぎるグリーンに手を焼くかも」と柳橋コーチ

悩ましいのは、あまりにもグリーンが大きいので、なかなかピンポジの想定をしづらいところです。練ランって、ある程度ピンポジを想定した中で練習するじゃないですか。それが、「どこ切るの、これ」みたいなホールがけっこうありました。日本だったらだいたい想像がつくんですけど、想像つきにくいですね。

あまりアップダウンはなくて、池とバンカーが多いです。ティーイングエリアとグリーンは硬いんですけど、フェアウェイは柔らかくて、キャリーで終わっちゃう感じ。アメリカほど、下が硬くて前にポーンと行く感じじゃないので、キャリーが出ないと距離を稼げません。風もけっこう強く吹くところもあるんで、アゲンストだと5番アイアンとかユーティリティとかで打たされるホールも多くなりそうです。

アウトコースがけっこうシビアですね。フェアウェイが狭く、打っていくところを限定されるところもありました。グリーンも、ところどころなんですけど、ものすごく傾斜が上がってきたり。大きなグリーンの中に無数に傾斜があるんで、狙いどころはけっこうシビアです。

萌寧はアマチュアのときにナショナルチームの試合でセントーサに来てるそうです(18年アジア・パシフィック女子アマチュア選手権)。「なんとなく覚えてるけど、はっきり覚えてない」とか言ってました。

萌寧は先週のタイ(ホンダLPGAタイランド)を欠場しました。スキップしたっていうか、出場権が下りなかったんです。ウェイティング20番とか、けっこう下の順位でした。その間、日本でずっと調整していたんで、そんなに調子が悪い感じはないと思います。

今週は小暮広海コーチがキャディを務めて、トレーナーと4人体制(萌寧、小暮、相樂勇トレーナー、柳橋)です。僕は木曜日で帰っちゃいますけど。萌寧は楽しんでますね。やっぱり海外のほうがなんか伸び伸びやってます。食事は基本的に、ホテルとかでほとんど外食になると思います。メニューはいろいろあって日本のものも食べられるので、食生活面での心配はなさそうです。

グリーン上の練習は、どの選手もそうですけど練習器具をめちゃくちゃ使い込んでます。グリーン上に線も描きまくってるし。日本じゃ描けないじゃないですか。日本人より圧倒的に練習器具を使って、短いパットを徹底的にシステマチックにやってるなって印象は受けてます。ロングパットも、振り幅をあえて決めてやってる人もいます。多分、テンポを変えずに5メートルぐらいをポーンって打ったりして、グリーンスピードに対しての感覚のスイッチを、そのコースコースで合わせてる感じの練習でしたね。

画像: なびく国旗を見ても、風が強いことがわかる

なびく国旗を見ても、風が強いことがわかる

気温は毎日32〜33度ぐらいまで上がってて、蒸し暑いですね。やっぱ東南アジアなんで。乾燥している日本から熱帯に来てるんで、体力的にというか、身体的にも難しいですよね。天気は、前半はいいんですけど週末あたりは雨予報が出ていて。南国特有というか、天気はまったく読めないですね。1日ごとに天気予報が変わってるみたいな感じです。風も強くて、しかも一方方向からじゃなくて、月曜は北東だったかな、6〜7メートル吹いてたと思います。風が吹くとけっこうムズい感じ。とくにグリーン上で吹くと、グリーンが大きいので、乗っちゃうと逆にムズいんじゃないかって思いました。「乗ったはいいけど、長いパットが残る」みたいなパターンにもなり得る感じなので、そこをどうマネジメントするかがポイントになりそうです。

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