初中級者が今の実力以上の結果を出すのに適したアイアン
みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。今日はアイアンの構造に関するお話。アイアンは、大きく分けてマッスルバック、キャビティバック、ポケットキャビティ、中空の4つに分類できます。これらの構造を基本に、構造や素材、製法などを駆使することで、様々な性能を持つアイアンが生み出されています。
昔はプロといえばマッスルバックかキャビティバックが主流でしたが、最近ではツアープロが求める性能を追求するために中空構造が採用されたモデルが開発されたり、ポケットキャビティをトーナメントで使用するプロも見かけるようになりました。
国内女子では淺井咲希選手、安田祐香選手らがアスリート向けのポケットキャビティアイアン「スリクソンZX5」を採用していますね。ダイキンオーキッドレディスを制した小祝さくら選手が使用する「スリクソンZ585」も2018年発売のポケットキャビティモデルです。
そして、アマチュアにやさしい! と高い評価を得ているモデルも、大体ポケットキャビティ構造を採用しています。重心を深く低く設計できますので、打点がズレてもヘッドがブレにくく、ボールの高さを確保しやすいので安定したショットが期待できるからです。
飛び系アイアンと呼ばれる飛距離性能を高めたモデルもほぼポケットキャビティですね。低重心によってボールをロフト角以上に上げやすくなるため、ロフト角を立てることができます。ロフト角を立てられればインパクトでのエネルギー効率を高めることができるので、飛距離を稼ぎやすいアイアンに仕上げることができるのです。
また、一口にポケットキャビティと言っても「ゼクシオイレブン」のようなアマチュア向けに特化したモデルから、冒頭で紹介した「スリクソンZX5」というように、対象ゴルファーによってセグメントもされています。前者は飛び系らしく7番でロフト28度と立っていますが、後者は7番で31度と控えめな設定ですね。
ミスにも強く、飛距離も稼ぎやすい、プロも使っている。だったら構造は全部ポケットキャビティでよいのでは? といった考えが浮かびそうですがそうもいかないと私は思っています。個人的な意見ですが、アマチュアの方にフォーカスして言うなら、ポケットキャビティは初中級者が今の実力以上の結果を出すのに適したアイアンだと思います。多少ミスしてもボールを安定して飛ばしてくれますから。エンジョイゴルファーが楽しくプレーするのにはピッタリの構造でしょう。
しかし、ボールを操作したいと考えるゴルファーにとってはあまり操作が効かないアイアンと感じてしまうことがあるようです。これはミスを軽減する補正能力が返って邪魔になってしまい、操作した動きを打ち消してしまうのが主な原因でしょう。これは操作する技術を学びたい、スウィングスキルを高めたいと考えるゴルファーにとってもプラスにはならないと私は考えます。
もちろんポケットキャビティにもモデルによって性能差がありますので、すべてのモデルがそうなるわけではないと思いますが、マッスルバックやキャビティバックと比べて良くも悪くも直進性の高いモデルに仕上がりやすいのです。
ルールの範囲内で選べる道具の自由度が高いのがゴルフの魅力のひとつ。カタログを見ればどんな構造になっているのかは大体書いてあるので、チェックしてみてください。今の自分が求める性能を持ったモデルを選ぶのか? 将来的を見越したモデルを選ぶのか? クラブの特性を知れば、より自分が求めるモデルを手にする可能性が高まりますよ。