コブラゴルフの2021年モデル「キング ラッドスピ―ド」シリーズが4月9日より発売となる。ドライバーは「キング ラッドスピード」、「キング ラッドスピードXB」、「キング ラッドスピードXD」の3モデルがラインナップされ、それぞれ固定式のウェートと取り外し可能なウェートの組み合わせを変えることでモデルごとに異なる特徴を持たせているという。
さっそくドライバー3モデルの性能を、プロゴルファー・中村修と堀口宜篤の両名に試打してたしかめてもらおう。なおロフト角は3モデルとも10.5度(XBのみ9度モデルをネック調整機能で10.5度に)。
シャフトはすべて純正の「オリジナルスピーダーEVO for ラッドスピード」のSフレックスを組み合わせ、ボールはタイトリスト「プロV1」を使用して試打を行った。
操作性の高い「キング ラッドスピード」
ではキング ラッドスピードから見ていこう。まずソール部のウェートはフェース寄りに多く配分されており、「浅重心設計でスピン量が少なくて、操作性が良さそうですね」と堀口。構えた印象は「他2モデルより比較的コンパクト」だと中村は言う。
「3モデルともヘッド体積は460ccなんですが、ラッドスピードはその中でも小ぶりに見えますね。プロが好きそうな顔で、そこまでアップライトでなくフェースも非常にストレート。それでいて、ラッドスピードのみクラウン部がマットな感じで締まって見えるのも良いですね」(中村)
ではさっそく両者の試打結果を見てみよう。
【堀口のキング ラッドスピード試打結果】
キャリー241ヤード トータル268.7ヤード 打ち出し角11.8度 スピン量2260.7回転
【中村のキング ラッドスピード試打結果】
キャリー259.3ヤード トータル286.7ヤード 打ち出し角12.2度 スピン量2136回転
「打感が柔らかいですね。前作『キング スピードゾーン』も柔らかかったですが、さらに良くなっています。打音もキンッみたいな高音が全然鳴らないですね。それでいて、しっかり強い球で打ち出してスピンも抑えてくれています」(堀口)
中村も「打感の良さはたしかに私も感じました」と同意見。また、低スピン性能にも驚いたという。
「私はエースドライバーで計測するとスピン量が2800~3000回転ほどで、スピンがやや多めのタイプですが、ラッドスピードは平均2136回転と約700回転ほど減っていますね。それでいてドロー・フェードの打ち分けもしっかりできる操作性の高さは魅力ですよ」(中村)
引っかからない「キング ラッドスピードXB」
続いて打つキング ラッドスピードXBは、ソール後方にウェートを多く配分した深重心設計で、寛容性と直進性の高さがウリのモデル。構えた見た目についても「同じ460ccですが、やや大きく見えてラッドスピードよりさらに安心感がある感じですね」と堀口。
XBの試打結果はそれぞれ以下の通り。
【堀口のキング ラッドスピードXB試打結果】
キャリー244ヤード トータル268.7ヤード 打ち出し角13度 スピン量2446.3回転
【中村のキング ラッドスピードXB試打結果】
キャリー256.3ヤード トータル284ヤード 打ち出し角12.8度 スピン量2189回転
データ上では低スピン性能はラッドスピードと同等だが、やや打ち出し角が高くなる結果に。両者の共通見解として、打感は「ラッドスピードと比べるとやや弾く感じが入ってくる」と評価する。
「あと、ヘッドが大きめかつ深重心で慣性モーメントが大きい設計なので、ヘッドがまったり返ってくる感じがしますね。曲がり幅も狭くて、楽に打てるヘッドと言って良いでしょう」(堀口)
つかまり度合いについては「ラッドスピードよりもややつかまりが良いでしょうか。それでも、つかまり過ぎるといった感じではありません」と中村。しっかり飛ぶしある程度つかまりもあるけど左に行き過ぎないので、「引っかけグセのある方にオススメです」と評価した。
つかまり過ぎない適度なドローバイアス「キング ラッドスピードXD」
最後に打つキング ラッドスピードXDは、「構えた見た目はXBとほとんど変わらない感じ」だと両者。ソール部のウェート配分を見ても後方寄りで、XBに似た性質を持つが、XDはソール後方ヒール側にもウェートを配したドローバイアス設計のモデルとなっている。
両者の試打結果は以下の通り。
【堀口のキング ラッドスピードXD試打結果】
キャリー244ヤード トータル273.7ヤード 打ち出し角13.1度 スピン量1864回転
【中村のキング ラッドスピードXD試打結果】
キャリー257.3ヤード トータル283.7ヤード 打ち出し角11.7度 スピン量2411.3回転
データでは他2モデルと同様低スピン。弾道については「ドローバイアスといっても、そんなにつかまり過ぎる印象ではありませんね」と堀口。
「つかまりの良さはあって、もちろん思い切り振り抜くとつかんでくれますが、過剰に引っかかる感じはないです。強いフェードが打てそう、と言ったら伝わるでしょうか。打感はXBよりも柔らかい感じですね」(堀口)
中村も「たしかにつかまり過ぎる感じはないですが、やはりある程度ドローバイアスが効いていて、右に打ち出したときにしっかり左に戻ってくれます。コースでも思い切り振りたいという方には引っかからずどプッシュもない、というのは強そうですね。つかまった球を打ちたい方、スライサーの方にもオススメと言えるでしょう」と評価した。
3モデルに共通して言えるのは打感の良さとスピン量がかなり抑えられている点。そのうえで、前重心設計で操作性の高いラッドスピード、深重心設計でやさしさもありつつ左に行きづらいXB、XBのようなやさしさを備えつつ、つかまりやすさを高めたXDとしっかりウェート配置によって特徴がしっかりと分けられているようだ。
2021年エースドライバー選びの新たな選択肢になりそうなキング ラッドスピードシリーズ。機会があればぜひ試打してみてほしい。