世界のトップ64名が出場し予選の3日間は4人1組の総当たり戦。各ブロックで1位の選手だけが残り2日を戦う長丁場の大会は世界ランク上位選手が次々と姿を消す波乱の展開。ベスト4まで勝ち上がったのは世界ランク30位台と50位台の選手だった。
そして決勝は昨年のルーキー・オブ・ザ・イヤーで地元期待のシェフラーと14年のフェデックスカップ年間王者ホーシェルとの対決となった。
テキサス特有の風に翻弄され両者とも我慢のゴルフを強いられるなか、ホーシェルが5番で40ヤードのアプローチをカップに沈めるチップインバーディでペースを掴み、シェフラーの攻めが裏目に出るなかリードを守りきりWGC初の栄冠に輝いた。
「浮き沈みのあるこの世界ではよくあることだけれど、ここのところゴルフの調子が悪かった。そのなかで我慢して勝ち切れたことがうれしい」と182万ドルおよそ2億円の賞金を獲得し満面の笑みでトロフィーを掲げたホーシェル。
7年前年間王者に輝いたときもプレーオフシリーズに入ったときは絶不調でランクは60位台。しかしプレーオフ4試合中優勝2回、2位に1回入って大逆転で王者の座につくなど、逆境を跳ね返す力に長けているのもホーシェルの特徴だ。
現在クラブ契約はなし。少し前まで高額契約金で知られるPXGと契約を交わしていたが、フリーになった彼が選んだのはデビュー当時に契約していたピンのアイアン。今回使用したブループリントはピンのアイアンのなかでもっともコンパクトな形状でソールが狭くオフセットを抑えたモデル。ピン初の鍛造マッスルバックデザインで特殊な熱処理を施した8620炭素鋼を使用している。
このアイアンでフェアウェイキープが難しい状況のなかコンスタントなショットを紡ぎ出しビッグタイトルを引き寄せた。
ちなみにドライバーはタイトリスト TSi3、3W&5Wはタイトリスト TSi2、ウェッジはタイトリストSM8(52度、56度、60度)、パターはPING Sigma2 Tyneだった。
波に乗ると強いホーシェル。2週後のマスターズでも好プレーを期待したい。