あなたはゴルフの中で「これは苦手だ」と感じるプレーはありますか? 誰にでも少なからず苦手意識はあるものです。ドライバーが苦手、アイアンのこの番手が苦手、アプローチが苦手、バンカーが苦手、パターが苦手などというように、他のプレーに対して特定のプレーがうまくいかないことが多いとそれを苦手だと認識することもあると思います。
プロを目指すゴルファーやプロゴルファーからも「どうすれば苦手意識を克服できますか?」と相談されることも多いので、今回の記事では苦手意識を改善するコツについて解説していきます。
まずは「本当に苦手なのか」を疑ってみる
まずすべきなのが「本当にそれが苦手なのかを疑う」ということ。実は苦手意識が形成される過程において、そのほとんどの原因は「思い込み」なんです。
例えば「人前で話すこと」に苦手意識を持つ方は、もしかすると小学生時代の授業などで何かを発表するときに「うまく話せずにクラスメイトから笑われた」という体験が「人前で話すことが苦手」と思い込む原因となったのかもしれません。
一度苦手と思い込んでしまうと次の発表の機会がやってきたときにも、その思い込みから余計な緊張を自ら生み出してしまい「また噛んでしまったらどうしよう」などと考えてしまいます。そんな状態で発表するとパフォーマンスがさらに落ちてしまい、より「人前で話すことが苦手」という思い込みが強化されていくのです。
これと同様に例えばアプローチが苦手だと言う方は過去のどこかの経験から「自分はアプローチが下手、苦手」だと認識しはじめてそれを「苦手だからうまくいかない」と思い、その思い込みを強化し続けている可能性があります。
しかし、意外と他者から観ればその人がアプローチが下手とか弱点などと思われていない場合も多いです。他者から観れば「〇〇さんのアプローチは普通にできる」と思われていても自身の中で「苦手」と思っていることは多いですよね。
思い込みの制限を外してあげる
そこでまず提案したいことが「〇〇は苦手だ」というラベルを書き換えてみるということです。苦手だと思うと練習することも億劫に感じたり、実際のコースでのプレーでも緊張を生んでしまうものです。
でも、確かに他のプレーよりもうまくいかないことは多いかもしれませんが「苦手」というラベルを付ける必要もないはずです。「アプローチは苦手」というラベルを「アプローチは得意でも苦手でもない」「アプローチは今普通レベル。これから少しずつ上達していく」といったラベルに変えていくのです。
そして、できるだけ他言するときも「アプローチ苦手なんだよね」という言葉を使わずに「アプローチ悪くないよ」「アプローチもっと良くなると思うんだよね」などという言葉を使うこともおすすめです。
達成経験を積み重ねる
そして、苦手意識を克服していく際に重要なことが達成経験を積み上げていくことです。
私たちは成功した経験より失敗や危険な経験への記憶が強く残ります。例えばアプローチが苦手だという方に「コースで10回中どれくらい成功しますか?」と聞くと「いやーかなり失敗が多いですね。5割しかできていない」と言われたりします。
でもプラスに言い換えると「5割も成功している」ことになります。「練習していたのに本番ではまたミスが多かった」と意味づけることは、先ほど挙げたように「苦手意識」をより強化してしまう原因になりますから、苦手意識を変えていくためは「今回はここがうまくいった! ここができた!」というできた部分こそ、しっかりと達成経験としてとらえていくことが重要です。
まずは10回中5回成功している部分を認め、さらに6回、7回と成功回数を増やすことを考えていくべきです。「5回もミスをしてやっぱりダメだ」という思考と「5回は成功しているから次は6回、7回成功を目指そう」と考えたほうが前向きに練習もコースもプレーすることができそうだと思いませんか? このように苦手意識を変えるプロセスでは小さい達成経験を見逃さずに認めていくことが大切です。
今回は苦手意識のあるプレーの克服方法について紹介していきました。ぜひ、ご活用ください。