飛距離を活かした、良い位置からアイアンを打てるコースマネジメント
昨年11月に開催されたマスターズでは、そのビッグドライブによる活躍に注目が集まっていたブライソン・デシャンボー。しかし蓋を開けてみると、最終34位タイと優勝には届かなかった。
そんな昨年の結果を「飛距離は出ていたものの、グリーンの正しい位置にショットを打てていなかったり、パー5やパー4で良いチャンスを作れていなかった」とマスターズ公式サイトに掲載されたインタビューで語ったデシャンボー。そこで今年はより多くのバーディを獲るために、グリーンに向かってどのようにアイアンショットを打つかにフォーカスしているという。
そのために重要なのがティショットの落としどころ。異例となった11月開催の前大会と異なり、地面が少し硬くなっていてランも期待できることから、圧倒的な飛距離を活かしてより攻めた場所を狙っていくことを考えているようだ。
たとえば、1番ホールなら309ヤード地点にあるフェアウェイバンカー、さらにはその先の木々も飛び越えた右サイド地点が狙いどころ。9番の左ドッグレッグでは木々を越えてショートカットし、グリーンサイドの広いエリアに打つ。
495ヤードの5番パー4でも、279ヤードと313ヤード地点にある2つのフェアウェイバンカーを飛び越えて打ち、350ヤードパー4の3番では直接グリーンを狙うなど、具体的に各ホールの戦略を語っていた。
“開発に3年かけた”新たなドライバーを投入か!?
また、デシャンボーはコースマネジメント以外の部分でも秘策を用意している。海外メディアGolf.comが報じるところによれば、開発に3年かけた新たなプロトタイプドライバーの投入を検討しているようだ。
それがUSGAのドライバー適合リストに「キング ラッドスピード(バージョン5)」というモデル名で今週月曜掲載されたヘッド。デシャンボーの驚異的なスウィングスピードに特化した設計となっていて、ロフトは5.5度とかなり立っている。
フェース厚も通常ならば薄いほうが反発性能が高まるのだがバージョン5に関しては厚めで、トウヒットの安定性と飛距離性能を高めた設計になっているという。市販されているキング ラッドスピードドライバー3モデルのようにソールには取り外し可能なウェートが配置されているが、これはすべて取り外して軽量化し、ソールとクラウンに鉛を貼るカスタマイズを施しているようだ。
まだ実戦投入は確定ではないものの、練習日ではプロトタイプドライバーをテストしていたデシャンボー。今週末のマスターズでは“ゴルフの科学者”のコースマネジメント、そして使用ドライバーにも要注目だ。