5月6日から4日間の日程で開催される「ワールドレディスサロンパスカップ」。プロゴルファー・中村修が注目したのは、米女子ツアーより帰国後、国内ツアー復帰戦となる笹生優花。世界ランク1位を目指すスウィングを解説。

4月中旬にハワイで開催された米女子ツアー「ロッテ選手権」で2日目まで首位、最終的には6位タイで終え飛距離を含めたポテンシャルの高さを改めて見せてくれた笹生優花選手。隔離期間を経て出場する国内メジャー「ワールドレディスサロンパスカップ」の練習日を現地取材してきました。

画像: 国内ツアーに復帰した賞金ランク4位(5月5日現在)の笹生優花(写真は2021年のワールドレディスサロンパスカップ)

国内ツアーに復帰した賞金ランク4位(5月5日現在)の笹生優花(写真は2021年のワールドレディスサロンパスカップ)

会場となる茨城GC東コースは、松林でセパレートされたフラットなコース。もともとの地形を生かしながら砲台グリーンや深いバンカー、距離があって硬く速いグリーンが難易度を高めています。コース自体も素晴らしい仕上がりです。

時折風速10メートルくらいの風が吹く難しいコンディションのなか、感触をたしかめながらの誘う選手の練習ラウンドについて歩きました。

飛距離をアドバンテージに果敢に攻めるプレースタイルの基礎となる安定したドライバーショットを生み出すのはやはり下半身の強さ。画像Aでは頭と重心を右に動かしながら深いトップ(画像A左)をつくり、右サイドに軸を残したまま切り返していきます。

画像: 画像A 頭を右に動かしながら深く捻転し(左)スウィングの軸を右サイドに取りながら切り返す(右)(写真は2021年のワールドレディスサロンパスカップ)

画像A 頭を右に動かしながら深く捻転し(左)スウィングの軸を右サイドに取りながら切り返す(右)(写真は2021年のワールドレディスサロンパスカップ) 

画像Bを見ると右サイドの軸をキープしたまま左ひざを伸ばし、地面からの縦方向の反力を回転力に変換することでヘッドを加速させていきまます。ややストロング気味のグリップから、右手のひらでフェースを押し込むようなインパクトを迎えていることからも、飛距離と方向性の良さを感じさせるスウィングです。

徹底的に鍛え上げてきた下半身のパワーを使ってクラブを効率よく加速させ、再現性も高いスウィングがドライバーショットだけでなくアイアンショットにも生かされています。ボールにしっかりとパワーが伝わっています。

画像: 画像B スウィングの軸を右サイドに取りインパクト前に左ひざを伸ばし地面からの反力を回転力に変化しヘッドスピードを上げ(左)右手のひらでフェースを押し込むように使うことで方向性を確保する(右)(写真は2021年のワールドレディスサロンパスカップ)

画像B スウィングの軸を右サイドに取りインパクト前に左ひざを伸ばし地面からの反力を回転力に変化しヘッドスピードを上げ(左)右手のひらでフェースを押し込むように使うことで方向性を確保する(右)(写真は2021年のワールドレディスサロンパスカップ) 

ヘッドスピードの速さはドライバーショットにだけ活かされるわけではなく、60から80ミリの深いラフからのアイアンショットでもパワーを生かして高い弾道でグリーンをとらえていました。さらに抜かりなく、硬くスピードのあるグリーンに対して、柔らかい弾道のアプローチで距離感をたしかめながら入念にホールを重ねていました。

稲見萌寧選手が勝ち星を重ねていることで賞金ランクは現在4位となっていますが、笹生選手が復帰したことで賞金女王争いもさらに白熱してくることでしょう。

例年よりも12名多い132名が出場する本大会。今大会の成績次第では大会後に行われる第1回リランキングにも大きく影響が出ることが予想されます。どんな選手が上位に顔を出してくるのか明日の初日を楽しみに待ちたいと思います。

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