ゴルフを楽しむためのドーパミンとセロトニン、オキシトシンのバランス
私たちがゴルフや生活をしていて幸せを感じるとき、脳内に分泌される大切な3つの神経伝達物質があります。1つ目のドーパミンはスコアアップやスキルアップなど「達成」による幸福、2つ目のセロトニンは「安心や安らぎ」による幸福、3つ目のオキシトシンは「他者とのつながり」による幸福につながります。
そして、もっともゴルファーとしてバランスが良い幸福状態は上記の3つの神経伝達物質がバランスよく分泌されている状態だと私は考えています。逆に、もっとも心理的に不健全で問題視しているケースが、ドーパミン型ゴルフ=ゴルフの結果が良くないと楽しめないという状態です。
これは競技ゴルファーに近づくほど起こりやすい傾向があるようです。ゴルフあるあるかもしれませんが、よく「100を切るか切らないかあたりが一番ゴルフを楽しめていた」という言葉を聞きます。それは90台に入りスコアアップするまでの時間が以前よりも長くかかることでドーパミンが出る機会が減ることがひとつの原因だと考えられます。
また、競技志向になればなるほど同伴者との会話を楽しむことやコースの大自然を味わうことへのフォーカスは薄れていきます。つまり、100切りをする前には分泌されていたオキシトシンやセロトニンなどの神経伝達物質も分泌が少なくなってしまうことになるのです。
そして、人によっては「何のために貴重な休日の時間とお金、労力を使っているのだろう?」と幸福度を下げてしまう人も多いのではないでしょうか? そうなってしまっては本末転倒で本来の「ゴルフは楽しむもの」というあるべき姿からは遠ざかってしまうかもしれません。
しかし、当事者としてはそのドーパミン型ゴルフになっていることに気づくことは簡単ではないのです。もし、この記事を読んでいるあなたが自分はドーパミン型ゴルフになっているかも! と思ったのであればラッキーで、この機会にゴルフへの幸福度のバランスを整えることをおすすめします。
感謝が大事
ドーパミン型ゴルフから脱却するには、「ゴルフができることへの感謝」を持つことによってセロトニンやオキシトシンの分泌を促すことがもっともオススメです。
そもそもゴルフができるということは、仕事があり経済的な余裕がある。プライベートや家族での問題が少ない。自身が心身ともの健康である。ゴルフに誘ってくれる仲間がいる……様々な「特別なこと」が前提にあると言えるでしょう。
しかし私自身も含め、人は「特別なこと」であっても、それが継続されると「当たり前」という認識に変わります。心から感謝するような出来事も、それが当たり前な状態となればそのありがたみは減りがちですよね。
その「当たり前」を「特別なこと」に戻すきっかけになるのが感謝です。学生時代に部活動などをされてきた方は指導者から「感謝が大事だ」と何度も言われたことがあると思います。もしかすると、その当時はなかなか腑に落ちないフレーズだったかもしれませんね。しかし、社会での経験を経た今なら理解できる度量があるはずです。
私たちが親や祖父母、恩師からもらった「感謝が大事だ」という言葉には、今の状況は当たり前ではなく沢山の前提条件の中で成り立っているという意味合いがあったのだろうと思われます。少し説教じみた話のようになってきましたが、実は「感謝」には幸福度につながる副産物もある、ということです。
「ゴルフができることへの感謝」を持つことで、好きなことができている安心感や安らぎによるセロトニン系の幸福感と、他者とのつながりのありがたさを再確認することでオキシトシン系の幸福感につながっていくはずです。
集中力を高めるためにはリラックスと緊張のバランスが重要なのと同じで、ゴルフの幸福度もバランスが大事です。ぜひ、ドーパミン系だけでなく、セロトニン・オキシトシン系も意識することも大切かもしれませんね。今回は感謝することでゴルフの幸福度を高めるというすすめでした。ぜひ、ご活用ください。