松山が復帰戦に選んだのはテキサス州ダラスで開幕したAT&Tバイロン・ネルソン。スコアの伸ばし合いになった初日は4アンダー68で首位のジョーダン・スピースらに5打差の53位タイとやや出遅れた。「日本に帰国している間クラブを握る機会が極端に少なかった」というがゴルフの調子は決して悪くなさそうだ。
試合に先立ち行われた記者会見は現地メディアの注目の的。各誌がこぞって松山の記事を掲載し、マスターズのあと一時帰国した様子や日本男子初のメジャーチャンピオンとして自分をどうとらえているかなどを詳しく取り上げた。
日本に帰ってから2週間の隔離生活を送った松山は、その間家族にすら会えなかったが、隔離終了後は妻や愛娘、両親との時間を過ごし英気を養ったという。
自主隔離中行ったのは自身のマスターズ制覇について書かれた新聞や雑誌、テレビの特集などをチェックすることだった。
「マスターズの優勝が日本でこんな風に報道されたんだというのがわかって感激しました。あまり注目されるのには好きじゃないので、ちょっと恥ずかしい気はしたけれど想像していた以上の反応はうれしかったです」
マスターズは観たか? という質問には「全部は観ていないけれどハイライトは観ました。観るとあのときのドキドキ感がよみがえってビデオを観ながら緊張していました(苦笑)」
メジャーチャンピオンになって変わったことは? との問いには「僕自身はなにも変わっていません。マスターズに勝って解放された思いはあるけれど、いまはこれからのことを考えています。このまま自信を保ちながらもっともっと勝ちたい」。
会見最後の質問は「来年のチャンピオンズディナーのメニュー」について。
「寿司は頭のなかにあります。でも皆が好きかどうかわからないので、これからいろいろな人の意見を聞いてアドバイスをもらいたいと思います。日本食は本当においしいものがたくさんあります。世界一の和牛もあるし。来年が楽しみです」
タイガーもチャンピオンズディナーでは必ず前菜に寿司を供してきた。ダンロップフェニックス優勝の副賞、宮崎牛を気に入りメジャーのチャンピオンズディナーでは必ず和牛を振舞ってきたブルックス・ケプカもいる。松山がチョイスするメニューも来年の4月には大々的に報じられるはずだ。