海外メジャー「全米プロゴルフ選手権」の初日が終了した。メジャー2連覇がかかった松山英樹、そしてオリンピック代表争いにも注目が集まる金谷拓実と星野陸也、3名の日本人勢のプレーはどうだった? プロゴルファー・中村修がレポート。

全米プロ初日が終了しました。中継をご覧になっていた方はご存知の通りかと思いますが、モニター越しに見てもわかるくらい、開催コースであるキアワアイランドゴルフリゾート・オーシャンコースは難セッティングですね。

難しさの理由としてまず挙げられるのが、シーサイドコースで風を遮る木がなく、影響を大きく受けてしまう点。もしフェアウェイを外せば池、ラフ、ブッシュと厳しい状況が待ち受けています。ちなみに初日は5メートル前後の風が常に吹いていましたね。

なのでティショットの正確性はもちろん、セカンドショットを打つ際の風の読みも非常に重要になります。とくにショートホールではピン位置も厳しく切られていて、わずかな風の読み違いで結果が大きく変わってしまいます。

それだけでも十分に難易度が高いですが、加えて総距離は7876ヤード。これでもかという難セッティングですね。そんななか、初日をアンダーで回ることができたのは30名。トップを走るのはトータル5アンダー、カナダ出身の29歳、コーリー・コナーズです。

「マスターズ」に続きメジャー2連覇がかかっている松山英樹選手は、初日を1オーバー41位タイでフィニッシュしました。

マスターズ優勝以降日本へ一時帰国し、前週開催の「AT&Tバイロン・ネルソン」からツアーに復帰した松山選手。同組となったのは「全米オープン」覇者のブライソン・デシャンボー、そして昨年の全米プロを制したコリン・モリカワ。メジャーチャンピオン組ですから注目度は否が応でも高まりますし、改めてマスターズ優勝のスゴさを感じさせる組み合わせでもあります。

肝心のショットの仕上がりはどうかというと、今週から目澤秀憲コーチが同行していることもあり復帰直後より調子も大分戻ってきているように見受けられました。フィニッシュが乱れるシーンも見られませんでしたし、風に対して高さを抑えたようなショットでピンを狙うこともしっかりできていましたね。

画像: 松山英樹は全米プロ初日を1オーバー41位タイでホールアウト(写真/Getty Images)

松山英樹は全米プロ初日を1オーバー41位タイでホールアウト(写真/Getty Images)

しかし、アプローチでのミスや3パットしてしまう場面もあり、ショートゲームの細かな感覚がまだマスターズ優勝時ほど仕上がってはいないのかな、という印象です。2日目は我慢しながらホールをこなしていく展開となりそうですが、それでもトップとはまだ6打差ですから、明日以降の上位進出も十分期待できそうです。

そして今大会では、オリンピック代表選手の切符をかけて争う金谷拓実、星野陸也の両選手にも注目したいところ。初日は金谷選手は3オーバー77位タイ、対して星野選手が4オーバー97位タイと一歩出遅れた形です。

金谷選手はメジャーの舞台にも臆せず、いつも通りプレーしているという印象ですが、やはり風のジャッジや、距離の長いコースに苦労しているように見えました。一方星野選手のプレーは中継であまりチェックできなかったのですが、スコアを見るとパー5でバーディを獲れていないのが痛いですね。

難コースということもあってどうしても取りこぼしは出てきてしまうので、やはりポイントとなるのは全部で4つあるパー5でどれくらいバーディを獲れるかだと思います。実際、単独1位を走るコナーズはパー5すべてでバーディをしっかり奪取。松山選手も3バーディです。

対して、金谷選手は1バーディ1ダボとひとつスコアを落としています。星野選手はすべてパーで、取りこぼしはないもののスコアを縮めることはできていません。もちろんパー5であってもそう簡単にはバーディを獲れるセッティングではないのですが、2日目は両者とも耐えるべきところはしっかりと耐え、パー5でなんとかスコアを縮めて、予選通過を期待したいところです。

松山選手のメジャー2連覇はなるか。そして星野・金谷両選手のオリンピック代表争いの行方は……2日目の行方も引き続き注目したいですね。

画像: 飛ばしの秘密はどこ?飛ばし屋・キャメロンチャンプのスウィングをプロが解析! youtu.be

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