自分を責めることは悪でしかない
あなたは仕事、ゴルフで自分を責めてしまう癖はあるでしょうか? 誰もが少なからず自分を責めてしまうものだと思います。
当然誰もが成果が自分の基準を下回った時や失敗をしてしまった時に「なんでこんなミスばかりするんだ」、「どうして練習でできていたことが大事な時にできないんだ」と自分を責めたくなるものです。結果を求める競技ゴルファーになればなおさら自分を責める機会も増えていくものです。しかし、実はこの当たり前にやっている自分を責める癖は脳へのダメージになることも分かってきています。
ザルツブルグ大学の研究では「自分を責める回数が多い人ほど」感情コントロール機能に大きく関わる部位である灰白質(かいはくしつ)が少なくなる傾向を見つけています。灰白質はストレスに弱く、上司に仕事ぶりや成果を怒られることやパートナーから性格や言動について批判されるストレスなどが脳細胞にダメージを与えてしまい灰白質は減少してしまうと言われています。
ちなみに上司やパートナーからの他者批判などはその人と距離を取ることでストレス回避できますが自分を批判し、否定する思考の癖があるとすればそれは自分の思考パターンを変えない限り回避することができずに脳にダメージを与え続けてしまいます。
まずここで認識しておくべきことは「自分を責める思考」を継続することでさらに感情のセルフコントロール能力を下げてしまうということです。そして、どのようにこの自分を責めたくなる思考を変えていくかを考えていきましょう。次に紹介する2つの思考法からあなたに合うものを取り入れていくことがおすすめです。あなたは取り入れやすそうな方法をぜひ試してみてください。
ゼロ思考
起きている出来事を良かった悪かったというプラス・マイナスの評価をせずにその現象をニュートラルにとらえる思考を「ゼロ思考」と呼んでいます。
人はすぐに物事への良い・悪いという意味づけをしてしまうものです。たとえばランニングしようと思ったら雨が降ってきたという状況。これは「ツイていない」と評価したくなるのですが、客観的に見ると「雨が降ることはただの自然現象」であり良いものでも悪いものでもないです。
このようにゼロ思考を取り入れることで自己を責める機会は減ります。「ショートパットのミスでトリプルボギー」という出来事自体を良いととらえるも悪いととらえるもの自分の基準次第です。
「あんな簡単なショートパットを外す自分は本当にダメ」と自分を責めるのではなく「雑なストロークになったから入らなかった。次から丁寧なストロークをする」、「集中力が散漫になり注意を欠いていた。どんなワンプレーも油断せずに」とただただ事実として良し悪しを加えずにゼロポジションでその現象を解説する思考がゼロ思考です。
セルフ承認
セルフ承認とは自分の思考や行動や学びなどを自ら認めることです。たとえば「セカンドショットでチャレンジしたけど結果思うようにはならずに裏目な結果になった」としたら「チャレンジしたという行動はOK」というように行動を承認するのです。
または「このような状況でチャレンジすべきではないことを学んだ」というように学びや小さな成長に対して承認することです。
ゴルフのレベルが上がれば上がるほど自分を認める機会は減り、自分に厳しくなり、自分を責める機会が増えていっているゴルファーは多いはずです。あなたもゴルフをスタートした当時より自分を責める回数が増えていませんか? 自分を責めることは脳にダメージを与え続けるだけでなく、自己効力感、いわゆる自信を減らしていく影響も当然あります。
今回は自分に厳しくし続けること、自分を責めることでのデメリットについて解説していきました。いつもなら自分を責め立てていた思考の何割かを、ゼロ思考やセルフ承認に置き換えることで対処してみることはすごくおすすめです。ぜひ参考にしてください。