ミケルソンのメジャー最年長優勝には、タイガー・ウッズやコリン・モンゴメリー、リー・ウエストウッドといった、長くメジャーの舞台でしのぎを削ってきた戦友たちから祝福のメッセージがSNSを通じて多数寄せられている。
なかでも印象的なのが、イアン・ポールター、コリン・モリカワらが寄せた「エイジ・イズ・ジャスト・ア・ナンバー(年齢は数字にすぎない)」という言葉だ。たしかに、ミケルソンを見ていると、「もう50歳だから……」なんて言葉はふさわしくない。
ただ、50歳を過ぎれば普通は体も衰え、飛距離も落ち……「若いころはなあ」と愚痴のひとつも言いたくなるのが普通のはず。では、どうすれば「年齢はただの数字」と言えるようになるのだろうか。
ミケルソンよりちょっぴり年上のプロゴルファー・中村修は「自戒を込めて」とこうアドバイスする。
「大切なのは、モチベーション、トレーニング、そして練習です。まずはモチベーションですが、スコアでもいいですし、飛距離でもいい。なんでもいいので、まずは目標を持ち、モチベーションを高めることが大事です」
ミケルソンには全米オープンを制してキャリアグランドスラムを達成するという大きな目標がある。それがあるからこそ、ハードなトレーニングにも耐えられるのだろう。というわけで、まずは明確な目標を立てることがステップワン。
「つづいてはトレーニングです。とはいえ、ミケルソンのようなハードワークは一般ゴルファーには難しいでしょうから、日頃からエレベーターやエスカレーターを使わないとか、ゴルフ場ではカートに極力乗らないなど、日常生活のなかで運動できる習慣をつけるといいと思います」
スマホや腕時計型のウェアラブルデバイスなど、体のコンディションを計測できるデバイスも増えている。それらを利用するのもオススメだ。
「そして、最後はやっぱり練習です。ここでオススメなのが、人と比べて自分はなにが得意か? を自覚すること。飛距離でもアプローチでもいいのですが、そこを伸ばす、いわば個性を際立たせるのがオススメの方法です。たとえばミケルソンだったら、50歳とは思えない飛距離、そしてロブショットといった個性が光りますよね。そこを徹底的に磨いてあげる。すると、自ずとギアも変わってきます」
たとえばミケルソンなら47.9インチのドライバーに、ティショットで武器になる2番ウッドなど、ロングゲームでの飛距離にこだわったギア選びをしている。一方、ショートゲームではロブウェッジにL字パターと、自分の使いやすい道具にこだわり抜いている。他人に合わせるのではない、徹底的に自分の個性に合わせたギア選びだ。
50歳になったら、それまでの人生で築き上げた自分の個性を変えることは難しい。ならば、自分の個性を自覚して、磨き上げる。それが年齢をただの数字に変える、一番の方法なのかも。