PGAツアー「チャールズシュワブ・チャレンジ」を制したジェイソン・コクラック。海外ツアー取材歴20年の大泉英子がレポート。

昨年、コロナ禍でツアーが3月に中断されて以来、3カ月ぶりの再開試合となった「チャールズシュワブ・チャレンジ」。今年は「全米プロ」開催週の翌週(先週)に開催され、先日36歳の誕生日を迎えたばかりのジェイソン・コクラックが優勝。昨年10月に開催された「CJカップ」以来、ツアー2勝目を挙げた。

彼にとっては、PGAツアー249試合目にしてつかんだ2勝目。また、ブライソン・デシャンボー、スチュワート・シンクに続く今季三人目の複数回優勝者となり、フェデックスカップランキングも5位まで浮上した。

画像: PGAツアー「チャールズシュワブ・チャレンジ」を制したジェイソン・コクラック(写真/Getty Images)

PGAツアー「チャールズシュワブ・チャレンジ」を制したジェイソン・コクラック(写真/Getty Images)

「初優勝の時よりも今回の優勝は難しかったね。昨年は3位に入ったが、いつもここに来ると調子がいいんだ。ファンも関係者もすばらしく、このトーナメントを特別なものにしてくれて、感謝してもし尽くせない。このジャケット(赤と黒のチェック柄のジャケットが贈呈される)を着て優勝会見に臨み、(コロニアルCCの)チャンピオンウォールに名前を刻むことができて嬉しいよ」

3日目を終えて単独首位に立っていたのは、地元テキサス州ダラス出身のジョーダン・スピース。彼を応援する観客が大半を占め、オハイオ出身のコクラックにしてみれば「アウェイ感」たっぷりの最終日となったが、それが「2勝目の方が初優勝よりも勝つのが難しかった」といわしめた理由だった。

「地元のジョーダン・スピースと回ったことが、難しい状況にしたと思うね。僕なんてここではほとんど誰も応援してくれないし、ジョーダンの応援をする人ばかりで僕のファンなどほんの少数。しかもネガティブなヤジもあったよ。でも、僕にも高校の時の友人やいとこの友達もいて、僕を応援してくれた。だから自分はただこのコースと戦い、自分自身と戦ったんだ。ジョーダンと戦うんじゃない、と。まるでボクシングの試合のようだったけどね」

最終組の2人のプレーは決して最高のものではなかった。最初の55ホールでたった2つしかボギーを叩いていなかったスピースが、地元のファンの期待をよそに前半で3連続ボギー。11番ホールでコクラックがバーディを奪うと、首位の座はコクラックに明け渡された。

だが、コクラック自身も5バーディ、5ボギーのパープレーでスコアを伸ばすことはできず、終盤、バンカーから脱出に2打を費やすミスもあり、15番、16番ホールで連続ボギーを叩いた。最終ホールを迎えて1打差の2位だったスピースは、バーディを奪ってプレーオフに持ち込みたいところだったが、ティショットで右ラフに打ち込み、そこからの2打目が無残にも池ポチャで万事休す。コクラックが2打差をつけて優勝を決めたのだった。

「今日はローラーコースターのような1日だった。最高のゲームではなかったね。ドライバーショットはよかったけど、アイアンはいまいち。でも我慢強くプレーしたんだ。キャディのデビッド・ロビンソンはグリーンの読みが得意で、アドバイスしてくれているのも大きい。ドライバーは昨年CJカップで優勝した時のテーラーメイドの昔のSIMに戻して、アイアンはPXGの新しいGEN4に変えた。パターはベティナルディ。これらがすべてうまく噛み合って優勝できたよ」

彼の次なる目標は「ライダーカップ」入りを果たすこと。学生時代、「ウォーカーカップ」(欧州VS米国の学生ゴルファー版ライダーカップのような試合)に出場する機会もなく、ずっとチームイベントに憧れていたというコクラックだが、米国キャプテンのスティーブ・ストリッカーに彼の活躍ぶりが届いただろうか?

「ガッツがあり、闘争心があることは示すことができたと思う。今年はとても素晴らしい1年であることは確かだし、ライダーカップのチーム入りを果たすことは人生の目標だから、ぜひメンバーの一員になりたい。それで優勝カップを米国に持ち帰ることに貢献できたら、非常に光栄だ」

今年の「ライダーカップ」は米国・ウィスコンシン州のウィスリングストレーツで開催される。今回、アウェイ感を味わいながら優勝したオハイオ出身の彼も、「ライダーカップ」なら間違いなくホーム感を味わいながらプレーすることができるはずだ。

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