今週末開催となる海外メジャー「全米オープン」。今大会の注目選手を、海外ツアー取材歴20年の大泉英子がまとめて紹介。

今季海外メジャー第6戦「全米オープン」が、カリフォルニア州サンディエゴのトーリーパインズGCで6月17日から開幕する。

今年の開催地トーリーパインズは、1月下旬に毎年開催されているPGAツアー「ファーマーズインシュランスオープン」でおなじみの難関パブリックコースだが、「全米オープン」が開催されるのは今回で2度目。2008年にタイガー・ウッズがヒザの故障を抱えながら、ロッコ・メディエイトとの19ホールのプレーオフの末、メジャー15勝目を挙げた地が、このトーリーパインズだった。 

今年の男子メジャーでは、「マスターズ」でアジア人初の優勝者、松山英樹、「全米プロ」で史上最年長優勝者、フィル・ミケルソンと歴史的な記録を残す優勝者が続いている。記録的と言えば、なんといっても地元サンディエゴで念願のグランドスラムを達成するかどうかに期待が高まる、フィル・ミケルソンの動向が気になるところだろう。

先月末に50歳でメジャー史上最年長優勝を飾った彼は、翌週の「チャールズ・シュワブ・チャレンジ」で予選落ちしたのち、「全米オープン」までの2週間をみっちり練習に時間を費やしてきた。地元サンディエゴの、子供の頃から慣れ親しんだコースを丹念にチェックし、「全米プロ」で消耗仕切った体力・気力を養いながら、技術・クラブとも調整を行なって、悔いのないように準備してきたはずである。

6月16日に51歳の誕生日を迎えるミケルソン。自身、「全米プロがもしかしたらメジャー最後の優勝となったかもしれないが、全米オープンで優勝できないという証拠もない。地元のコースでグランドスラムを達成できればいいね」と語っているが、子供の頃から熟知しているコースでの「全米オープン」開催は、ミケルソンのグランドスラム達成に追い風が吹いているように見える。ホームで、自身の最年長メジャー優勝記録を塗り替えることができるか。

画像: 全米オープンを制すればグランドスラム達成となるフィル・ミケルソン(写真は2021年の全米プロゴルフ選手権 撮影/Blue Sky Photos)

全米オープンを制すればグランドスラム達成となるフィル・ミケルソン(写真は2021年の全米プロゴルフ選手権 撮影/Blue Sky Photos)

また、昨年9月の「全米オープン」で優勝したブライソン・デシャンボーや、「メモリアルトーナメント」で優勝目前にしてコロナ陽性判明で途中棄権を余儀なくされたジョン・ラーム、地元サンディエゴ出身のザンダー・シャウフェレ、今季好調のジョーダン・スピース、ブルックス・ケプカ、ビクトル・ホブランなども注目選手だ。

とくにラームは、「メモリアル」で3日目を終えて2位に6打差をつけながら棄権したものの、ショットもパットも絶好調だっただけに、今大会でも不気味な存在の一人である。24時間で2回のコロナ検査を受検し、陰性が確定。2017年「ファーマーズインシュランスオープン」で米ツアー初優勝を挙げた思い出深いコースで、メジャー初優勝を目指す。

画像: 今年のマスターズを制した松山英樹。同年で全米オープンも制覇した場合、史上7人目の快挙となる(写真は2021年の全米プロゴルフ選手権 撮影/Blue Sky Photos)

今年のマスターズを制した松山英樹。同年で全米オープンも制覇した場合、史上7人目の快挙となる(写真は2021年の全米プロゴルフ選手権 撮影/Blue Sky Photos)

なお、今大会には松山英樹のほか、全米オープン予選会で勝ち抜いた星野陸也、石川遼、浅地洋佑も参戦。松山は「全米プロ」でも一時、首位に肉薄する位置でプレーしており、今大会でのメジャー2勝目にも期待がかかるが、もし優勝すれば「マスターズ」と「全米オープン」を同年に優勝した7人目の優勝者となる(1941年クレイグ・ウッド、1951年&1953年ベン・ホーガン、1960年アーノルド・パーマー、1972年ジャック・ニクラス、2002年タイガー・ウッズ、2015年ジョーダン・スピース)。

今年は、松山英樹、笹生優花と日本勢のメジャー優勝者が続いている。またもや日本勢に神風が吹くか。

 

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