肩~手元から始動しクラブヘッドとの「ラグ」を作る
高島:ユージさんのさらなる飛距離アップのために、港区西麻布にある「LOWMEL BEAR GOLF STUDIO」にやってきました。実はココでインストラクターをしている小井土峡太プロと豊永智大プロに、ユージさんの飛距離アップのヒントをもらいに来たんです。
豊永&小井土:よろしくお願いします。
ユージ:よろしくお願いします!
高島:小井土プロは443ヤードのドラコン日本記録保持者。豊永プロは最長飛距離423ヤードで、ユージさんも参戦した「ジア・メディカルCUP 2021日本ドラコン選手権」ではオープンディビジョンで準優勝の実績を誇るバリバリのドラコントッププロなんです。
ユージ:日本ドラコン界を代表するお二方というわけですね。スゴイ!
高島:今日は二人のスウィングを見てユージさんのスウィングに足りない部分を補うヒントを見つけてみましょうか。
ユージ:ぜひ、お願いします!
――さっそくユージの前でドラコンスウィングを披露する小井土プロ。小井土プロは「全然(上手く)当たらない」と言いながらも、トータル飛距離361.1ヤードを叩き出す。
高島:ユージさん、小井土プロのバックスウィングの上げ方に注目して見てください。
ユージ:はい――あ、なんかヘッドが遅れて上がっていくように見えます。
高島:そうなんです。ユージさんが小井土プロのスウィングで参考にするべきポイントは、まず肩から手が最初に動き、体が充分に捻転されてからヘッドを上げる、というバックスウィングの始動の順番なんです。
小井土:たしかに、僕は始動の部分に関しては、ヘッドではなく手元を先に動かすということを凄く意識しています。
ユージ:それは何でですか?
小井土:「ラグ」を作りたいからです。
ユージ:ラグ?
小井土:はい。切り返しの時に生まれる「タメ」のことです。グリップを柔らかく握ってダラーンと脱力した感じでクラブを振ると、クラブヘッドは慣性が働いてトップに達したときにターゲット方向に向かおうとするんですけど、手元とかグリップは切り返しで逆方向に動くと、そこにラグ(ズレ)が生じ、その結果、強烈なタメができるんですよ。
高島:体が先行してヘッドが遅れてくるので、ダウンスウィングで体は正面に戻ってきているのにヘッドはまだ体の背中側にあります、みたいな感じですよね。
ユージ:子供の頃に、鉛筆の端っこをゆる~く摘まんでグラグラと揺さぶると、鉛筆自体がフニャフニャに見える目の錯覚の遊びがあったけど、小井土さんのスウィング見てるとクラブがフニャンとなって、あの鉛筆みたいに見えましたよ。
小井土:今ユージさんが言ったように、グリップは軽く握ったほうがタメは作りやすくなりますよね。
高島:小井土プロはスウィング自体も、軽く見えますよね。しなやかさを使って飛ばすタイプなんですね。ユージさんは、こういうしなやかさを出せるようにしたほうが良いと思います。
――小井土プロの飛ばしのポイントを教わったユージ。さっそく実践してみることに。
ユージ:HS54.2m/sで、267.9ヤード。スピン量は4020回転……。う~ん、スピンが多いなぁ~。
小井土:計測結果を見ると、ダイナミックロフト(インパクト時のフェースの角度)が18.5度なんですが、これだとフェースが上を向き過ぎたインパクトになっているんですよね。
豊永:僕は多分、12度くらいだと思います。
小井土:インパクトでハンドファーストの形にならないと、ダイナミックロフトも多くなってスピン量が増えてしまうんですよね。
ユージ:どうしたらハンドファーストで当てられるんですか?
小井土:最初に言ったようにテークバックで手元先行の(インパクトでの)ハンドレートの形でクラブを上げていき、トップに行く直前の切り返しで力を抜くとクラブのヘッドと手元の位置関係が入れ替わるんですよね。それでそのままインパクトを迎えるとハンドファーストのインパクトになります。
ユージ:なるほど。切り返しのときに力を抜くんですね。もう一度挑戦してみます!
――小井土プロのアドバイスを意識して、再度チャレンジするユージ。すると3470回転、2830回転、2010回転とスピン量は抑えめの結果に。
高島:きちんとスピン量が減っているし、何よりスライスが出なくなってきましたね。
ユージ:そうですね。ちょっと低スピンで打つコツがつかめてきた気がします!
※次回、豊永プロのレッスン編は6月27日11時30分公開予定です。
協力/LOWMEL BEAR GOLF STUDIO
撮影/野村知也