先週は4日間でボギーがわずかに1個
西郷真央選手は、2019年のプロテストに合格した19歳。コロナ禍の影響で2020年の開幕戦となった「アース・モンダミンカップ」で5位タイ、次戦の「NEC軽井沢72トーナメント」でも5位に入り笹生優花選手らとともに注目を集めました。
その後少し低迷した感もありますが、オフにしっかりとウィークポイントであったグリーン周りのアプローチと飛距離アップに向き合い、2021年の開幕戦では4位タイと結果を出していました。
先週の「サントリーレディス」では、4日間でボギーを打ったのは初日の2番ホールの1個だけと非常に安定したプレーを続け、最終日は最終組の一組前でプレー。優勝争いに最後まで残り、最終ホールのセカンドをピンそばにつけバーディを奪い首位と1打差のクラブハウスリーダーでホールアウトします。勝てはしませんでしたが、見事なプレーぶりでした。
先週の内容をスタッツから見るとフェアウェイキープ率、パーオン率ともに80%を越えるデータを残しており、グリーンを外してもチップインバーディを奪うなどショットだけでなくショートゲームの向上も印象付けました。
その中でもプレーを見ていて注目したのは、フェースの開閉をコントロールし、方向性と距離感を合わせたアイアンショットです。とくに優勝争いの中、最終ホールで見せてくれた池越えのピンを狙ったアイアンショットは、ピンポイントでターゲットを狙う技術を完全に会得したんだと感じました。アイアンショットのフルショット画像を見てみましょう。
画像Aの左ではオーソドックスなスクエアグリップで握り、頭、ボール位置、スタンス向きなどバランスの良いアドレスです。そして手首を親指側に折るコックの動きは少なく手元を胸の前にキープしながらテークバックします(右)。
画像B左のトップでも手首の動きは少なく、切り返し以降クラブのタメも強くはありません。手元と体の距離を保つことで浅くゆるやかな入射角でインパクトに向かうことが見て取れます。
画像Cの左はインパクト直前の画像ですが、インパクトの一瞬前の時点でクラブは地面スレスレの状態であることがわかります。画像C右ではボールの先のターフがとれていますから、ごく浅い入射角のダウンプローで入っていることが見て取れます。
再び画像C左に戻ると、左手の甲がターゲットを向き、左腕とクラブが一直線になっていることから適度にフェースの開閉を行うスクェアグリップで握った場合のお手本になるインパクトの形をしています。手首を折る動きが少ないのでスウィング軌道は終始ゆるやかで、インパクトゾーンの長いフォローにつながっています。
地元千葉県開催の今週も、切れ味鋭いアイアンショットでピンを攻めるプレーが見られることを期待します。