先週の試合では平均飛距離361.4ヤード(!!)を記録
こんにちはケンジロウです。
カリフォルニア州のサンディエゴに来ております。そう、今週はここトーリパインズゴルフコースで全米オープンが開催されます。
サンディエゴは、毎日晴天が続く初夏の陽気。朝晩は冷たい海風が吹きますが、日中は半袖短パンで過ごせるほど気持ちいい天気が続いています。
さて、試合前にご紹介するのは、ある飛ばし屋の選手のお話です。その名は、ウィルコ・ニナバー!(現地で呼ばれている発音に近い表記だと、ウィルコ・ニナバァーでしょうか)。
まだ日本ではその名前を聞いたことのない方のほうが多いでしょう。
それもそのはず、南アフリカ出身の21歳で、昨年ヨーロピアンツアーでプロデビューしたばかり。先週行われていたパルメット選手権で初めてPGAツアーの試合に出て、いきなり14位タイに入っています。そしてその勢いのまま全米オープンに乗り込んできました。
何が凄いって、その圧倒的な飛距離です。彼の練習ラウンドについて回ったのですが、トーリパインズの4番ホール486ヤードパー4では、残り111ヤード地点まで飛ばし、2打目をウェッジで打っていました。フォローだったとはいえ、370ヤード近く飛ばしたことになります。
続いて6番ホール515ヤードのパー4では、残り150ヤードぐらいまで飛ばしていました。同組で回っていた選手を、ときに70ヤードぐらい置いていっていましたね。
先週のパルメット選手権では、ドライビングディスタンスの平均が361.4ヤードとフィールド内でもちろん1位。最長376ヤードという数字を記録していました。
ドライバーのデータを聞くとさらに驚きます。マックスで207mphいくというんです(平均でも197mphとのこと)。換算すると92.5m/s……。
ボール初速はPGAツアーのトップ選手で80m/sを超える程度。ダスティン・ジョンソンで84m/sぐらい、ジョーダン・スピースは76m/sとかですからね。この数値は凄い。もはや異次元です。
なぜそんなに飛ばせるのか? まずはとにかく彼のスウィングを見てもらいましょう。
高いトップから強烈にタメてきて、下半身はインパクトにかけて伸びあがります。体重移動はほとんどなく、その場で回っているように見えます。身長は188センチと高く、さらに手足も長く、大きなスウィングアークで飛ばしています。
いったいどんなコツがあるのか? 練習後に本人に話を聞いてみました。
「遠くに真っすぐ飛ばすには確実に言えることは、バックスウィングでしっかりといいポジションに上げることが大事。そしてしっかりと地面をつかんで、足を使って腕のスピードを上げることさ」とウィルコ。
そして今週特に注意しているのはバックスウィングだとか。
「ゆっくり遠くに上げることを意識しているよ。そのためには上半身と下半身がブレないようにトップまで上げるんだ。そのあとは、ダウンスウィングで腰を沈めながら回していき上半身と下半身のねん転差をキープする。ハーフウェイバックから先は腰を回していくだけさ。足をうまく使えたらインパクトの前にマックスのスピードになるんだ。沈んで伸びているように見えるけど、そんな意識はしてなくて、勝手にそうなっているだけ。実際は腰を回しているだけだよ」とウィルコ。
いやぁ、また凄い怪物が現れたもんだ。PGAツアーはほんとこういう選手が次から次へと出てきますね。いやはや恐ろしい……。
撮影/Blue Sky Photos