「全米オープン」を26位タイで終えた星野陸也。そのスタッツを見てみると、ある指標が全体の2位だった! 一体それはどんな数値? ツアー9勝のプロゴルファー・佐藤信人に話を聞いてみた。

メジャー3度目の挑戦となった「全米オープン」で初の予選通過を果たした星野陸也。彼のスタッツをPGAツアー公式サイトで見てみると、全米オープンの4日間を通じて、ストローク・ゲインド(SG)アプローチ・ザ・グリーン(グリーンを狙うショットの貢献度)がコリン・モリカワに続く2位にランクインしていた。優勝したジョン・ラーム(6位)、松山英樹(7位)よりも上にいるのだからすごい。

PGAツアーの指標にはさまざまなものがあるが、海外のゴルフ事情に精通するプロゴルファー・佐藤信人は、SGアプローチ・ザ・グリーンは「PGAツアーで活躍する上でもっとも重要な指標のひとつ」だという。

画像: 全米オープンで26位タイフィニッシュした星野陸也はストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーンが2位にランクイン(写真は2020年のフジサンケイクラシック 撮影/大澤進二)

全米オープンで26位タイフィニッシュした星野陸也はストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーンが2位にランクイン(写真は2020年のフジサンケイクラシック 撮影/大澤進二)

「アメリカはコースが広いぶん、ティショットのストレスはそう多くありません。ですが、セカンドショットは池などのハザードが効いていて、ミスとバーディチャンスが紙一重。なので、アイアンの精度が非常に重要になるんです。『アプローチ・ザ・グリーン』の数値が高い選手は予選落ちが少ないですからね。そのなかで星野選手の2位は本当にすごいと思います。全米オープンという舞台のなかでアイアンという教科の“偏差値2位”みたいなものですよね」(佐藤、以下同)

ジョン・ラームやダスティン・ジョンソン、ブルックス・ケプカらアメフト選手のような体格の選手たちと互角の戦いを繰り広げる身長175センチのコリン・モリカワはシーズンを通じての成績でもこの指標のトップを走る。グリーンを狙うアイアンショットのキレが、PGAツアーでいかに大切かがこのことからもわかる。

全米オープンのフィールドで、このような重要な指標で2位になるのに「たまたま」ということはないはず。では、2位になった要因はどんなことにあるのだろうか?

「彼は全米プロ(2021年5月20日開幕)で予選落ちしたあとにカルフォルニアへ行って色々なコースで練習して、(全米オープンの)予選会を受けたんです。通ったあともコースで練習していたと思いますが、カルフォルニアやアメリカのゴルフ場に慣れる時間があったということが今回の成績につながった要因のひとつかもしれません」

世界に通じるショット力を持つことが証明された星野は、オリンピックの出場権も獲得。オリンピック、そして同じく出場権を持つ全英オープンで、国内ツアー賞金ランクトップの活躍に期待したい。

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