ジョニ男:距離が近いバンカーは割と苦にならなくて、得意とするアウトサイドインの袈裟切りショットで砂ごとブワ~ッとバンカーから出るんです。しかしこれが15ヤード以上の距離のあるバンカーになると突然、難しくなっちゃうんですよ。58度のウェッジで距離を出すバンカーの打ち方がよくわからないんですよね。事務所の先輩の関根勤さんは、「距離のあるバンカーはPWを開いて打てばイイんだよ」と言うんですけど、PWでバンカーショットを打つ勇気がないんです。
小澤:PWでは飛び過ぎてしまう気がするからですかね。
ジョニ男:そうなんです。ですから、先生には58度のウェッジで距離を出す打ち方をぜひ教えて頂きたいと思っているんです。
小澤:わかりました。インドアでは実際のバンカーを使えないので、毛足の長いシャギーカーペットをバンカーに見立てて練習してみましょうか。ジョニ男さん、普通のバンカーショットはどうやって打っているんですか?
ジョニ男:アドレスは普通にフェースを開いて、そのぶんオープンスタンスにしまして、ボールを左足の前に置きます。あとはクラブをアウトサイドに上げて、ダウンスウィングでボールの5センチ手前にヘッドを入れていき、そのままインサイドに斜めに抜いていく感じですね。
小澤:おー、完璧ですね。では打って見せてください。
――バンカーショットが得意というだけあって、ジョニ男、ナイスショット!
小澤:素晴らしい!
ジョニ男:でも先生、今の打ち方だと高さは出るけれど距離が出ないんですよ。
小澤:確かに、今はフェースをかなり開いていて、70度くらいのロフトになっていましたから15ヤードくらいしか飛ばない感じですよね。じゃあ次は、ロフトを58度と70度の中間くらいの64度くらいにして打ってみましょう。そうすれば、30ヤード近く飛ぶバンカーショットが打てますよ。
ジョニ男:でも、ロフト角を変えるとなると、打ち方はどうなるんですか?
小澤:いえいえ、打ち方は同じで大丈夫なんです。
ジョニ男:本当ですか! じゃあちょっと、やってみます。
――大きく開いていたウェッジのフェースを少し戻して構え、オープンスタンスの度合いを少なめに。この構えから打ち方は同じでジョニ男が打つと、再びナイスショット!
小澤:OK!
ジョニ男:本当に、これだけで大丈夫なんですか。
小澤:はい。これで30ヤードは距離が出ていますから、大丈夫です。加えてもうひとつ、ロフト角を調節する方法として、開いておいたフェースをインパクトで立てる動きを入れる打ち方もあります。
ジョニ男:なんですって。そんな難しいことできるんですか?
小澤:大丈夫です。たしかに開いたフェースを立てるという動きはジョニ男さんが仰るようにタイミング的にも難しいですよね。そこで、打ったあとにボールを包み込むようにフェースを閉じるイメージで打ってみましょう。
ジョニ男:『つつみ込むように…』。MISIAですね。
小澤:(笑)普通のバンカーショットは手首のコッキングを返さずに高い球を打っていましたが、距離を出したい場合は、この手首のコッキングをリリースすることでインパクトでフェースを立てて当てることで、ボールに推進力が増しランが出るわけです。
ジョニ男:距離はどれくらい出るんですか?
小澤:58度で30ヤードから40ヤードくらいまでは出てくれます。
ジョニ男:そんなに! それで打ち方は?
小澤:ダウンスウィングまでは普通のバンカーショットと同じです。違いは打ってからフェースを立てて行く動きで、フォローでボールを包み込むように動かしていきます。「開いて、包み込む」です。
――インパクトで開いていたフェースを立てていく打ち方を、キーワードの「開いて、包み込む」イメージして、ジョニ男が打ってみると、これもナイスショット!
ジョニ男:あ、これはさっきと打感が全然違いますね。球を上げる打ち方のときはポーンと球がすぐに離れていきましたが、包み込む打ち方はフェースに球が引っ付いている感じがします。バンカーショットと言うよりも通常のフェアウェイからのショットに近い打ち方に感じますね。
小澤:その感覚で正しいと思います。
ジョニ男:う~っむ、コレは使えるぞ!
撮影協力/天王州ゴルフ倶楽部 撮影/野村知也