全米プロを最年長で制したフィル・ミケルソンが大会初日の9番で63フィート(19.2メートル)のシーズン最長パットを決めギャラリーを熱狂させるなか、小平も負けていなかった。
10番スタートの前半3連続を含む4バーディを奪って折り返した1番でもバーディ。すると2番パー3では「すごくいいティショットが打てた」とフェアウェイ左サイドを捉えると残り81ヤードを直接カップに沈めイーグル奪取に成功。8番で唯一のボギーを叩いたが1イーグル、6バーディ、1ボギーの7アンダー63をマーク。クレイマー・ヒコックと首位の座を分け合った。
ラウンド後このような展開を予想したか? との問いに小平は「そんな感じはしなかったけれどここ数試合いいプレーができているので気分良く初日に臨むことができました」と小平。
本人がいうように5月のウェルズファーゴから3試合連続トップ20(11位タイ、13位タイ、19位タイ)をキープ。それ以前はポイントランク180位台とシード圏外だったが現時点で149位と上位125位以内に与えられるシード獲得まであと一歩。全米プロや全米オープンなどメジャーに出られなかった鬱憤を晴らすかのような好プレーを披露した。
予選落ちや下位が続いていたころとは別人のように本来のショットのキレが戻りコースで躍動し始めた要因を本人は「あまりきちっと考えすぎずアバウトにプレーするようになったことがよかった」と語っている。
ターゲットをピンポイントに絞りスウィングのあれこれを入念に考えてするプレーは1打にかかるプレッシャーが大きく、それに比例しミスがでたときの落胆も大きい。しかしターゲットもスウィングも考えすぎずアバウトにプレーすればミスのショックでつまずき流れが途切れる場面も少なくなる。人にもよるが小平の場合は計算づくのゴルフではなくミスを寛大に受け入れある意味適当にプレーすることが合っていたということなのだろう。
2018年のRBCヘリテイジに優勝した際掴んだ2年シードは本来ならすでに切れているはず。だがコロナの影響でシードが21年いっぱいまで延長された。そのラッキーを活かし一気にシード、いや2勝目を決めたいところだ。