今日のテーマは「決断」です。ゴルフではとくにマネジメントにおいて多くの決断する機会があります。ドライバーを使うのか、刻むのか? セカンドショットの番手はどれを使うのか? どんなアプローチで落としどころはどこを選択するか? パットのラインはどこにどんな強さで転がすと決断するのか? ゴルフは決断が連続する競技です。
一般ゴルファーでも競技ゴルファーでも誰もが迷うことがありますし、そしてその決断をプレー後に失敗だったと思うこともよくあることだと思います。決断の質を高めることはスコアアップにもつながるはずです。その決断のコツをエビデンスも見ながら考えていきたいと思います。
今回のテーマでのゴールとしてはあなたの「決断するルール」を決めることです。マネジメントで迷うこと、パターのラインや距離感で迷うことは必ずあります。その際に「決断するルール」が自分にあれば迷う時間やストレスを減らすことができますよね。その決断のマイルールを考えていきましょう。
このマイルールをつくることでさらに決断の質を高められることも分かっています。決断は小さいものでも脳にストレスをかけ疲労につながります。そして、マネジメントの決断を続けているとコースの後半にかけて脳が疲れることで決断ミスが起こりやすくなるのです。マイルールをつくることでこれまでよりも決断への時間や負担を減らすことで後半戦の決断ミスを減らすことにもつながるのです。それではマイルールの参考になるものを3つ紹介していきます。
感情抜きで決断する
あなたは衝動買いをして購入後に家に帰って後悔したことはありますか? これは誰しもが経験することだと思います。人は「テンションが高いとき、やる気のあるとき」と「テンションが低いといき、やる気が下がっているとき」に選択する行動が変わってしまいます。
この仕組みを心理学ではプロジェクションバイアスと呼んでいます。これはゴルフでも同じで、テンションややる気でマネジメントに変動がある人が多いはず。まずは「感情抜きで決断をする」ということを押さえておいてください。
50:50で迷ったときの決断
次に決断で悩むものとして50:50でどちらの選択をとるべきか決められないという状況です。たとえば大事なパッティングでAのラインでいくのかBのラインで行くのか決められないような状況ですね。
この場合におすすめするのがメタ認知を利用した決断です。メタ認知とは「もう一人の自分」が客観的にみて今の状況をとらえることです。
私がおすすめするのは「1年後のレベルアップした自分」からメタ認知をすることです。迷っている状況が来たら、1年後の成長した自分をイメージして「Aで行こう」というように決めてもらうのです。客観視することで先でも挙げたように感情での決断を避けることにもつながりますし、1年後の自分であればより成長する選択を選んでくれることでしょう。
それでも迷ったらコイン投げ!?
メタ認知で1年後の自分に聞いてみても答えが出なかった場合はコイン投げで決めることをおすすめします。
運任せか、と思うかもしれませんが、これに関して興味深い統計学の研究があるので紹介します。それは「2つの選択肢のうちどちらかかの行動を取らなければならない状況」で【1】よく考えて行動を決断する場合と【2】コイン投げの裏表で行動を決める場合にどちらのほうが良い結果が出るのかを調べたものです。
調査でわかったことは【1】の場合も【2】の場合も結果に大きな違いは生じなかったといいます。悩んで脳を疲労させるくらいであれば、本当にコイン投げで決めてしまうのもアリだと思います。そのほうが後半での脳の体力を温存できることにもつながりますからね。
今回おすすめした決断のルールをまとめると以下の3つです。
【1】感情抜きで決断する
【2】迷ったら1年後のレベルアップした自分からメタ認知
【3】それでも決められない時はコイン投げ
いかがだったでしょうか? あくまでもひとつの選択肢ですので【1】~【3】のどれかをご自身の決断のマイルールに入れてもらうことも良いかと思います。ぜひ参考にしてみてください。