「スパイダーゴースト イッツィビッツィ」を久しぶりに使用している
こんにちはケンジロウです。
ミシガン州のデトロイトよりお届けしております。今週の大会はPGAツアーのロケットモーゲージクラシックです。
練習日の月曜日と火曜日は気温が30度越えし、じりじりと照り付けるような日差しが続いたのですが、水曜日になると朝から雨が降り、フェアウェイやグリーンはだいぶぬかるんだ状態で試合を迎えました。ウェットな状況もあってか、やはりスコアは伸ばし合いの展開に。初日はスコアボードには赤い数字が並びました。
日没サスペンデッド時点でトップが9アンダー。小平智も5アンダーの7位タイと好発進しています。松山英樹は前半4バーディ、ノーボギーとスコアを伸ばしていましたが、2ホールを残して雷雨で約3時間の競技中断を余儀なくされ、再開後にスコアを2つ落としてトータル2アンダーでフィニッシュ。後半もチャンスを多く作っていましたが、なかなか波に乗ることができませんでした。
今回、上位選手の中で私が注目したのは、ジェイソン・デイです。デイも今日は7バーディ2ボギーの5アンダーとスコアを伸ばし、7位タイといいスタートとなりました。
元々世界ランキング1位だったデイは2018年以来、優勝から遠ざかっていて、現在のフェデックスランキングは100位、世界ランキングも66位と調子を落としています。
今季もマスターズから3試合連続予選落ちし、なかなか成績を出せていませんでしたが、先週のトラベラーズ選手権では2日目に62を出し、最終的にトップ10に入るなど、調子を戻しつつあります。そんなデイがパッティンググリーンで練習していたので、どんな練習をしているのかなと、じーっと眺めていました。
すると、あれっ? 何やら白いスパイダーを使っているじゃないですか。デイと言えば赤いスパイダー(ツアーレッド)を長年使っていて、その印象がとても強かったのですが、白いスパイダーは珍しいですよね。
その赤スパイダーは何度か撮影させてもらったことがありますが、ヘッド上部やネックの辺りが傷だらけで、かなり年季の入ったものだったのを覚えています。
調べてみると、今年はその赤スパイダー以外に、オデッセイのツーボールや、SIKパターなどいろいろと取っ替え引っ替え試しているというようです。でも、よーく見るとその白スパイダーもネックの辺りがはげちゃっていますね。
再び調べてみると、2017年の全米プロで「スパイダーゴースト イッツィビッツィ」を使っていましたが、ヘッドの形やソールのデザインを見ると、どうもそのモデルのように見えます。つまり過去に使っていたモデルを引っ張り出してきたんですね。
この白スパイダー、先週のトラベラーズ選手権から投入しているようで、「62」を出したのもこのパターでした。中長距離の“ラグパット”をけっこう決めていましたね。
デイは言わずと知れたパターの名手。長年ストロークゲインドパッティングで上位にいましたが(2016年1位、2018年は2位)、今季は103位と低迷しています。慣れ親しんだスパイダーでパッティング浮上のきっかけをつかもうとしているんですね。
ドライバーはピン、FWテーラー、アイアンはミズノ、ウェッジはアーティザン
さて、そのデイですが、今年から契約フリーになったのはご存じですか? 「デイと言えばテーラーメイド」というぐらい、長年テーラーのクラブを使ってきましたが、今年から自由な14本で戦う道を選びました。
パター以外にデイがどんなクラブを選んだのか? 気になりますよね。今週のデイのバッグの中身は、ドライバーがピンのG425LST、スプーンがテーラーのSIMマックス、アイアンがミズノのJPXツアー921、ウェッジがアーティザン。ボールはブリヂストンのツアーB XSです。
その中で気になるのは、やっぱりアイアンですよね。ケプカも921のひとつ前のJPXツアーを使っていたし、契約フリーになると、みんなミズノのアイアンを使いたがるんですね。デイ本人にミズノを選んだ理由を聞いてみることにしました。
「今まで使ってきたアイアンの中でベストだと思うよ。実は昔からミズノのアイアンを使ってみたかったんだ。だから契約がフリーになったときに、すぐにミズノにお願いしてセットを作ってもらったんだ。試したらすごくよかったよ。そのフィーリングの良さって説明するのは難しいんだけど、でもすごく打感が良くて気に入っているんだ。ほんとこのアイアンを使えて嬉しいよ」(デイ)
まさにべた褒め。日本のアイアンが世界の選手たちから評価を受けるのはなんだか嬉しいですよね。今週もデイの優勝争い、期待してみていきましょう。
写真/ケンジロウ