葉の1枚でもフライヤーは起こる
この時期から夏にかけて、コースで警戒したいものといえば「フライヤー」です。ラフからのショットの際に、ボールとフェースの間に葉っぱが噛むことでスピンが減り、思ったよりも飛びすぎてしまう現象ですね。
フライヤーの話をすると、「おれには関係ないよ」とか「フライヤーがかかるほどの腕前がない」と言う人がいますが、フライヤーは物理現象なので必ず起きます(笑)。さらにいえば、「フライヤーをしたことがない」と感じている人は、もしかしたら番手選びが間違っているかもしれません。
具体的には、夏ラフからは5、6、7などのロングからミドル番手のアイアンを使うのは極めて難易度が高い。そもそも上手く打てないので、フライヤーを実感することもできません。残り距離で番手を選んでしまうと、このようなエラーが起こりがち。
一方、残り距離に関係なく、たとえば残りが150ヤードでもラフから抜けやすい9番アイアンやピッチングを持ったとしたら、「ウソでしょ、乗っちゃったよ!」なんてことが起きても不思議ではありません。ボールが上がりやすい分フライヤーの影響を強く受け、いわゆる“高打ち出し・低スピン”の飛ぶ弾道になりやすいですから(その分ランも出ます)。
私の場合、パー5の2打目がラフからというケースでは、ロフトが23度以上あるフェアウェイウッドやユーティリティでフライヤーを意識して打ったりします。これらのクラブはラフからでも抜けやすいですし、ロフトが寝ていることでボールが上がりやすく、フライヤーの効果で驚くほど距離を稼ぐことができるケースがあるんです。
一方、注意すべきはウェッジ。残り80ヤードから52度で気持ちよく振り抜いたりすると、そのままグリーンをオーバー……なんて事態にもなりかねません。状況次第ですが、番手を落としたり、振り幅を小さくするなどの対応が必要です。
まとめると、夏ラフはボールが上がりやすい番手を持っているほど、フライヤーの影響を受けやすくなります。そのため、使うべき番手はロフト23度以上のFWまたはUT、そして8番以下のアイアンです。そして、ショート番手になるほど飛びすぎに警戒。このようなポイントを押さえておくと、フライヤーで思わぬトラブルに陥ることが防げると思います!