機内で感染者が出れば本人が陰性でも大会には出場できない
「マスターズチャンピオン、全英オープン欠場」のニュースは米ダイジェスト電子版がトップニュースで報じるなど松山への関心度の高さが改めて浮き彫りになった。
所属事務所が発表した松山の声明は以下の通り。
「私は元気ですがジ・オープンに向けた練習と準備ができませんでした。その上渡英する困難さを考え我々チームはみなの安全を守るためにも今回は出場を見合わせることが最善であると判断しました。来年セントアンドリュースで行われる全英オープンに出場することを楽しみにしています。ファンのみなさまの応援に心から感謝しながら、できるだけ早く大好きなゲームに戻れるように頑張ります」
米ツアーではジョン・ラームがコロナ感染の翌々週には復帰し全米オープンで優勝を飾ったのは記憶に新しい。彼の場合は無症状で比較的早い段階で陰性判定が2回続いたため復帰できたが松山は頭痛と倦怠感の症状が続き陰性になるまでに時間がかかっている。
米ツアーがワクチン摂取済みならPCR検査をせずに試合に出場できる方向に規制を緩和する方針なのに対しヨーロッパではより厳しい措置が取られている。
英国はデルタ株の流行により政府が規制を最強化している最中で、選手たちは渡英した際の自主隔離は免除されるものの家族は同行できず、たとえば搭乗した機内でひとりでも感染者が出れば本人が陰性であっても大会には出場できないという厳しいルールをR&A(主催者)が定めている。
期間中選手たちはレストラン、バー、スーパーマーケットへの入店禁止。散歩もNGで食事はコースあるいは食材を滞在先にディリバリーしてもらって賄うことに。一部からオフレコで「息が詰まってしまう」という声も聞こえてくる。
そのせいかどうかは定かではないがマシュー・ウルフは理由を明かさず欠場を表明。イ・キョンフンは妻の出産に立ち会うため、ダニー・リーは怪我による欠場。そしてケビン・ナは渡航制限を理由に出場を回避した。
また韓国勢はオリンピック出場が決まっているキム・シウとイム・ソンジェが全英をスキップ。メダル獲得なら兵役が免除される五輪に専念するという。
昨年中止となり2年ぶり開催となるゴルフ最古のメジャーは今年、英ロイヤルセントジョージズで戦いの火蓋が切って落とされる。