ラウンドではきちんとゴルフシューズを履いているけど、休日には普段使いのスニーカーを履いて近場の打ちっ放しへ行く、というゴルファーも少なからずいるはず。しかし「多くの理由から、練習場でもラウンドで使うシューズでスウィングして欲しいです」と小澤。
その理由のひとつめとして小澤がまず挙げたのはスウィングを支えるためのグリップ力の問題だ。
「グリップ力はゴルフシューズと比べるとどうしても欠けてしまいます。とくに注意したいのが人工マットの上でダウンスウィングでツルンと滑ってしまうこと。せっかく良いスウィングができていても台無しになってしまいますし、一回滑ってしまうと次に強く振ろうとしてもどこか躊躇して当てに行くスウィングになってしまうんです」(小澤、以下同)
一口にスニーカーといってもそのデザインは多種多様だが、たとえばソールに厚みがあるとそのぶんだけ少し背が高くなった状態になってしまう。すると「アドレス時に手元が実際のラウンド時より高い位置になり、ソールした際のライ角も変わってしまいます。ちょっとつま先下がりで打つような感覚に近いですね。結果、練習がコースでのプレーとリンクしづらくなってしまうんです」と小澤。
スニーカーでプレーするデメリットはアドレス時のズレだけでなくスウィング中にも表れてくるという。
「アドレス時には両足の拇指球辺り、インパクトの時はなるべく左足の拇指球に体重をかけたいところですが、スニーカーはトウが少し上がっている作りになっているモノも多く、かかと側に体重がかかってきやすいです。それによって手元の位置も後ろへズレてしまい、ヘッドがボールに届かなくなるので、無意識に手元を浮かせてクラブを長く使ってしまうんです。するとアーリーリリースになったり体が起き上がりなどいろいろなミスが起きてしまうのでシューズはとっても大切ですよ!」
これはスニーカーに限らず、スパイクやスパイクレスシューズでも同じこと。とくに日本人の場合は「ゴルフシューズのなかでもソールがフラットに近いモデルがオススメ」だと小澤。
「アメリカでは昔からヒールトゥヒールといって、構えた時にできるだけヒール側に体重を乗せて構えたほうが良いという教えがあるんですけど、日本人の場合は骨盤が前に出ていることが多いので、同じようにヒールで構えるとへっぴり腰のようになり、体が起き上がってきやすくなってしまいます。もちろん個人差はありますが、そういった事態を防ぐためにもなるべくシューズはソールがフラットに近いスパイクやスパイクレスのほうが良いかなと思います」
ゴルフシューズもスウィングを形作る要素のひとつ。身長や構え方が変わる以上、練習の際もこだわっておきたいところだが、さらに小澤の場合は「練習場でもゴルフウェアに帽子も被って本番さながらのスタイルで球を打っています」という。
「日中ならサングラスも着けるので、本当にラウンド時の服装ですね。スウィングをした時の伸縮性などもゴルフウェアのほうが優れていますし、ウエストはこの位置でベルトを締めて穿くという決まったポジションがあって、そこが違うと違和感があるんですよね。帽子も、つばが視界に入っている景色のなかでプレーをするということを心掛けているので被ります。これは個人的な理由ですが、帽子のつばが視界に映らない状態だと視界が広くなり過ぎて、起き上がりが早くなってしまうんですよ。視界が狭まってくるとストレートのラインがイメージしやすくなるので私は常に帽子を被って練習しています」
練習と同じ感覚でラウンドするためには、まずは練習時のシューズや服装も大切。極論を言えば小澤のようにまったく同じ服装なのがベストだが、そこまでこだわらずとも「スポーツブランドが手掛けている機能性のある服なら良いと思いますよ」と小澤。
「逆に、厚手のスウェットなどは体の近くを腕が通る感覚になりづらいので、とくに外からクラブが下りて来やすい方はなるべく体のフィットしやすいウェアやジャージで練習したほうが良いですね」
小澤のアドバイスを参考に、練習時の服装・シューズを改めて見直してみてはいかがだろうか。