高島がドラコン大会を開催するに至ったのは、ツアープロとして伸び悩んでいる時に出会ったドラコン競技の素晴らしさを、もっと多くの人に広めたいという気持ちから。朝日放送の「Re:スポーツ」でアスリートの活動を応援する企画内でクラウドファンディングを立ち上げ賛同を得たと言う経緯だ。
「従来のドラコン大会は、ゴリゴリに鍛えたドラコンプロたちが出るモノというイメージがありましたが、今回の大会のコンセプトは『“普通の人”がドラコンを、見て、やって、楽しめる』こと。従来のドラコン大会とは一味違う部分がたくさんあったかと思います」(高島)
同大会には一般女子4名、一般男子55名が参加。加えて、ゲストプレーヤーとしてドラコンプロ・田澤大河、人気ゴルフYouTubeチャンネル「Sho-Time Golf」の姜秀一、そして高島の弟子でもある飛ばし屋タレント・ユージ、元バレーボール日本代表の山本隆弘らプロ・著名人も参戦。女子の部、男子34歳までの部、男子35歳~49歳までの部、男子50歳以上の部に分かれて競技が行われた。
ドラコン大会初参加のゴルファーのために“2分30秒の中で全6球を打ち、そのなかの最大飛距離を採用して記録を競う”“クラブは数本持ち込んで途中で交換可能”などといった基本的なルールから細かい作法まで、競技前に詳しくレクチャー。「僕も初めて出たときは分からないことが多くて不安だっったので、これはありがたいと思いますね」とはドラコン競技に絶賛ハマり中のユージ。
もう一点、今大会で面白いのが、挑戦回数が2度あり、なおかつ1回目の挑戦終了後に高島から飛ばしレッスンを受講できる点。通常のドラコン大会は1度の挑戦のみの勝ち抜き形式である場合がほとんどなので、その場での一発勝負だが、今大会ではまず1回目に独特の緊張感や2分30秒という制限時間を体感し、高島のアドバイスを受けた上で、改めて2回目に臨めるというわけだ。
高島から全体へのレッスンでは、飛ばしのポイントとして「体幹を回す意識を持つことが大事」だとアドバイス。
「みなさん、腕を速く動かそうとしていますが、ヘッドスピードは体幹部分が速く回らないと上がらないんです。その体幹は腰周りではなく、私は、みぞおちから上の部分をしっかりと回す意識でやっています。そうすると腰も腕もそれについてくるので、ヘッドスピードが上がるんです」(高島)
レッスンのおかげもあり、ユージの地元・東村山「HGC(東村山ゴルフクラブ)」のゴルフ仲間でドラコン初挑戦の女性・吉岡美翔さんは記録“150ヤード”と普段より少し飛距離がアップ。「女子はトップバッターだったし、実際打席立ってみたら、思ってたよりずっと緊張しました。でも普段なかなか味わうことがない緊張感で、楽しかったです」という。以前からドラコン競技に参戦する“港区のマキロイ”こと松野健次郎さんも「OBとか気にせず、独特な緊張感の中で思いっきり振っていくのはやっぱりとても楽しいですね」と話す。
ユージの所属する芸能事務所・レプロエンタテインメントからも4名参戦。
「参戦した4人の中で、28歳最若手の宮﨑健太くんが266ヤードで一番でした。僕の現場マネージャーが216ヤードだったので、今後の社内での序列に影響があるかもしれません(笑)。こういう仲間内での競争も、楽しいですよね」(ユージ)
そして、自身2度目となるドラコン大会でのユージの成績は、1回目の最長飛距離が280ヤード、2回目は240ヤードという結果に。
「今大会は2回挑戦権があったので、最初の回は取りあえず記録を残すためにコースの枠内に入れる感じで打ち、2回目はマン振りで記録を伸ばすという方向でいきました。結局スライスボールが多くてイマイチ飛距離が伸びませんでしたが、前回このコースで開かれた大会では記録なしだったので、取りあえず結果が残せたので良しとします」(ユージ)
また、今大会では自身の記録を形に残すため、参加者には記録証が発行されるのも、うれしいポイント。特に初めてドラコンに参加した方にとってはとても嬉しいものになったようだ。
「自分の飛ばした距離が数字に残るというのは嬉しいですよね。高島師匠が言うように、この数字を目標にしていくことで、飛距離が確実にステップアップすると思います。次はこの記録更新が目標ですね」(ユージ)
多くのゴルファーが新たにドラコン競技に触れ、盛況で幕を閉じた同大会。高島は「開催して、本当に良かったです」と語る。
「私自身初のイチから企画したドラコン大会開催のうえ、昨今の事情も相まって不安も大きかったのですが、今日の開催にたどり着け、みなさんがドラコンを楽しんでいる姿を見れたことが本当に良かったです。ぜひ次もやりたいですね。そのときは、みなさんの参加お待ちしています!」(高島)
一般のゴルファーには少し敷居が高いドラコン競技だが、スキルの有無に関わらず多くのゴルファーが楽しめる高いエンターテインメント性がそこにはある。少しでも興味を持った方は、ぜひ一度勇気を出して挑戦してみてはいかがだろうか。
撮影/野村知也
2021年8月25日10時10分 文章を一部修正いたしました