今週末開催予定のPGAツアープレーオフ最終戦「ツアー選手権」。最終戦ではそれまでのフェデックスカップランクに応じてストロークボーナスが与えられるハンディ戦となるが、8年連続での最終戦出場を決めた日本の松山英樹の状況は? 仕組みをおさらいしつつ、まとめた。

最終戦の仕組みをおさらい

PGAツアーのプレーオフシリーズも残すところは最終戦「ツアー選手権」のみとなった。まず簡単におさらいしておくと、プレーオフシリーズは1戦目「ザ・ノーザントラスト」、2戦目「BMW選手権」、最終戦「ツアー選手権」の全3試合で構成されており、最終戦の優勝者がそのシーズンの年間王者の座を手にできるわけだ。

1戦目ザ・ノーザントラストは、レギュラーシーズン最終戦「ウィンダム選手権」終了時点でフェデックスカップランクトップ125選手のみが出場可能な試合。この時点で、プレーオフに進出できる選手とそうでない選手にふるいがかけられ、さらに1戦目の結果を受けてフェデックスカップランクを更新。2戦目であるBMW選手権に出場できるのはその時点でランク上位70選手とさらに絞られる。

そして今週末開催の最終戦であるツアー選手権に出場できるのはBMW選手権終了時点でのランク上位30名のみ。つまり、レギュラーシーズン、そしてプレーオフ1、2戦目を通じて結果を出し続けた限られた選手のみが、最終戦に挑めるわけだ。

そして日本のエース・松山英樹も最終戦へ駒を進めたトップ30のうちの一人。松山はプレーオフシリーズ開幕時点でフェデックスカップランク14位に立っていたが、1戦目「ザ・ノーザントラスト」で29位タイ、2戦目「BMW選手権」で46位タイという結果を受け、現状のフェデックスランクは22位。2戦を通じて順位はやや落としたものの出場権は勝ち取ったわけだ。

画像: プレーオフ最終戦「ツアー選手権」に8年連続での出場を決めた松山英樹(写真は2021年の全米オープン 撮影/Bkue Sky Photos)

プレーオフ最終戦「ツアー選手権」に8年連続での出場を決めた松山英樹(写真は2021年の全米オープン 撮影/Bkue Sky Photos)

松山はこれでプレーオフ最終戦に8年連続での出場を実現。ハンター・メイハン、マット・クーチャー、パトリック・リード(松山同様、継続中)と最長連続出場記録タイに並ぶ偉業を達成した。

※ダスティン・ジョンソンは13-14年シーズンの同試合に出場していないが、出場権利は持っていたため、13年連続で権利を獲得している。

松山以外の出場選手、そして“ボーナススコア”の状況は?

ツアー選手権は出場すること自体が難しい最高峰の舞台だが、優勝を果たし年間王者の座を獲得するためには同試合でのパフォーマンスに加え、これまでのレギュラーシーズン、そしてプレーオフ2戦目までに積み上げてきたフェデックスカップランクポイントが大きく影響する。

というのも、BMW選手権終了時点のフェデックスカップランクに応じて、ボーナススコアを得てプレーが開始される「ストロークベースド・ボーナスシステム」という特別ルールが存在するからだ。ではランク上位の選手がどれくらい有利な状態でスタートできるのか、出場選手も含めて以下にまとめた。

1位(10アンダー):パトリック・カントレー
2位(8アンダー):トニー・フィナウ
3位(7アンダー):ブライソン・デシャンボー
4位(6アンダー):ジョン・ラーム
5位(5アンダー):キャメロン・スミス
6~10位(4アンダー):ジャスティン・トーマス、ハリス・イングリッシュ、エイブラハム・アンサー、ジョーダン・スピース、サム・バーンズ
11~15位(3アンダー):コリン・モリカワ、イム・ソンジェ、ビクトル・ホブラン、ルイ・ウーストハイゼン、ダスティン・ジョンソン
16~20位(2アンダー):ロリー・マキロイ、ザンダー・シャウフェレ、ジェイソン・コクラック、ケビン・ナ、ブルックス・ケプカ
21~25位(1アンダー):コーリー・コナーズ、松山英樹、スチュワート・シンク、ホアキン・ニーマン、スコッティ・シェフラー
26~30位(イーブンパー):ダニエル・バーガー、エリック・ファンローエン、セルヒオ・ガルシア、ビリー・ホーシェル、パトリック・リード

上記の通り、ここまで勝ち進んできた30選手のなかでも最大10打もの差ができた状態でプレーがスタートするわけだ。

10アンダーを得られるフェデックスカップランク1位の座に就いているのが、プレーオフ2戦目を制したパトリック・カントレー。続く2位で8アンダーのアドバンテージを獲得したのは1戦目ザ・ノーザントラストを制したトニー・フィナウだ。

一方松山のボーナススコアは1アンダー。ランク上位勢と比較してスタート時点から不利な状態で最終戦に挑むわけだが、もちろん優勝の芽がないわけではない。実際、2019年のツアー選手権では5アンダーのボーナスを持っていたロリー・マキロイが、10アンダーボーナスを持っていたジャスティン・トーマスをまくって優勝を勝ち取った、という例もある。

はたして松山は日本人初のPGAツアー年間王者の座に就くことができるのか。今週末の戦いぶりに要注目だ。

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