アイアンで飛ばすためにはハンドファーストでインパクトを迎え、クラブヘッドがスウィングの最下点へ向けて下降している段階でインパクトする「ダウンブロー軌道」であることが重要。では適切なダウンブロー軌道を作るにはどの程度の入射角でヘッドを下ろすのが正解なのか。プロゴルファー・大谷奈千代に詳しく教えてもらおう。

アイアンショットでダウンブローを習得しよう!

前回はボールに対してエネルギーを上手く伝えるために必要な、適切なハンドファーストの度合いついてお話してきましたが、今回はハンドファーストとセットで覚えていただきたいクラブヘッドの入射角についてレッスンしていきます。

そもそも入射角とはクラブヘッドがボールに対してどの程度の角度を付けてインパクトしたのかを示すデータです。

トラックマンなどの弾道測定器では入射角の値がプラスかマイナスかで示され、マイナスならばスウィングで描かれるクラブヘッドの円弧の最下点より手前、クラブが下降している段階でインパクトするダウンブロー軌道。逆にプラスならば、最下点を通り過ぎてヘッドが上昇する際にインパクトするアッパーブロー軌道ということになります。入射角、そしてヘッド軌道はボールの打ち出し角やバックスピンの量を左右する要因の一つとなります。

話を元に戻しましょう。ハンドファーストとはクラブよりも手元が先行している形ですから、入射角は自然とマイナス、つまりダウンブローになるのです。

画像: ヘッドよりも手元が先行していれば、自然と最下点より手前のダウンブローでインパクトを迎えることができる

ヘッドよりも手元が先行していれば、自然と最下点より手前のダウンブローでインパクトを迎えることができる

このダウンブローは、アイアンでターフ(芝)を取るために必要なクラブの入射角なのですが、強いボールを打ちたい気持ちが先行するあまりハンドファーストインパクトのイメージが強くなりすぎて、クラブを上から叩きつけてボールを潰すくらい打ち込んでしまい、結果的にミスショットしている方は多くいらっしゃいます。

では適切な入射角はどのくらいなのでしょう。例えば女子プロの場合、7番アイアンの入射角の平均値はおよそマイナス2度のダウンブローで、男子プロの7番アイアンの入射角の平均値はおよそマイナス4度のダウンブローとなっています。ダウンブローの角度が大きくなる9番アイアンやピッチングウェッジでもおよそマイナス5度のダウンブローなのです。

画像: プロの7番アイアンの平均入射角は男子でマイナス4度、女子はマイナス2度。ダウンブローと言っても、過度に入射角が大きくなっているわけではない

プロの7番アイアンの平均入射角は男子でマイナス4度、女子はマイナス2度。ダウンブローと言っても、過度に入射角が大きくなっているわけではない

このことからもわかるように、ダウンブローの角度は7番アイアンで多くてもマイナス5度くらいまでが最適なのです。しかし、みなさんのイメージのダウンブローはマイナス10度以上になっていることがあります。

こういった打ち込み過ぎを防ぐために、入射角は「飛行機が着陸する際の角度」といったイメージを持つと良いでしょう。

着陸する際に入射角が強すぎると飛行機は墜落してしまいますね。スウィングも同じでダウンブローの入射角が強すぎてしまうと、クラブがささってしまいインパクトのあとにクラブを振り抜くことができなくなってフォローサイドが詰まってしまいます。このように打ち込みたい気持ちから起こる、適度なダウンブローはミスショットに繋がってしまう考え方なのです。

適度なダウンブローで打つためには、アドレスからインパクトにかけて身体のラインがまっすぐキープされていることが大切です。限りなくレベルでスウィングすることができればクラブの重さの慣性が下に向かっていくのでインパクトでボールに当たった瞬間、クラブは地面に潜っていきターフを取ることができるようになります。

画像: 体の軸をキープし重心をレベルに保ってスウィングできれば自然とダウンブローでアイアンが打てるという

体の軸をキープし重心をレベルに保ってスウィングできれば自然とダウンブローでアイアンが打てるという

反対に、身体の重心が右に傾いてしまってアッパー軌道の入射角になってしまうと、地面に対してクラブの重さを上手に使えなくってしまいエネルギーロスやミスショットにつながってしまいます。

身体の重心を真っすぐキープすることで、ヘッドは自然と地面に潜ってくれますから、ハンドファーストやダウンブローは過度に意識しすぎないようにしましょう!

画像: 【密着】160ヤード、何で打つ?飛ばし屋タレント・ユージの自主練を撮影してみたら面白過ぎた! youtu.be

【密着】160ヤード、何で打つ?飛ばし屋タレント・ユージの自主練を撮影してみたら面白過ぎた!

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