打ち出し角の許容範囲は6度のズレまで。フェースをターゲットにしっかり向けよう!
パッティングは技術だけでなく、メンタルの問題もとても大きく影響してきますよね。ドライバーでの300ヤードも1メートルのパッティングも同じ1打ですし、スコアカードにある72のスコアのうち36はパターの計算です。今回は1メートルを沈めるためにやるべきことについてお話します!
まずはPGAツアーのカップインの確率のデータから見てみると(イラストA参照)、プロは1メートルのパットに関してはおよそ96%という高確率でカップインさせていますが、3メートルで40%、6メートルでは15%と確率はどんどん下がっています。1メートルではほとんどが入っているのに3メートルでは半分も入らないんです。
アマチュアゴルファーのなかには「プロは5~6メートルのパターも当然1打で入れる!」なんて思ってらっしゃる方も多くいますが、実はロングパットについては1打で決め切れることのほうが少ないんです。
では1メートルと3メートルのパットでなぜこんなにカップインの確率が変わるのでしょうか。もちろん距離感によるミスもあるでしょうが、それ以上にボールの打ち出し方向のミスに対する許容範囲の差が大きな要因です。
ではカップの中心に対して真っすぐのラインにボールを置いてカップの中心を狙うと仮定したときに、ボールの打ち出し方向がどれくらい合っていればカップインが狙えるのでしょうか。これは、ボール位置とカップの中心点を結んだ線と、その線に対して直角になるよう円周上の一点と中心を結んだ際の半径。この2つの線から浮かび上がってくる直角三角形に、数学のタンジェント公式を当てはめて計算することで求めることができます。
カップのサイズは直径10.8センチですから半径は5.4センチ。これを数学のタンジェント公式を当てはめて計算すると、カップの中心からボールの距離が1メートルだと3.091度、3メートルになると1.031度という数字が見えてきます。
この数字から、1メートルではボールの打ち出し角度が左右合わせておよそ3度+3度で最大6度ほどズレてもカップインするということがわかります。ところが3メートルではおよそ1度+1度で最大2度と許容範囲が1メートルのパットの3分の1となり、一気に難度が上がるためプロでもカップインの確率が40%まで下がってしまうのです。
そして、この打ち出し方向はフェースの向きがおよそ90%影響しています。もちろんストロークによってフェースがズレるということはよくありますが、ストロークばかりに意識がいってしまい、そもそもはじめからフェースがターゲットに向いていないということが多いのです!
「1番入る確率が高い1メートルが入らない!」なんて方は、アドレスの時点でターゲットに対してフェースの向きが3度以上、左右どちらかにズレている可能性が高いので、まずは1メートルでフェースをターゲットに向ける練習を丁寧に行ってください。これだけでもカップインの確率は必ずアップします! 1メートルではアドレスでフェースの向きをターゲットに構える練習を徹底し、習慣化しましょう。
そして3メートル以上のパットはプロでも40%しか入らない難しいパットと心得ておき、ストレスを引きずらないようにできるだけ早く気持ちを切り替えるようにしましょう。そもそも実戦では傾斜や距離感まで関わってきますから難易度はイラストAの仮定よりさらに上がります。6メートルも距離が開くと打ち出し方向は1度のズレも許されないので、ほとんど入らないもの。次のパットを決めるために距離感を合わせることに集中するのがオススメですよ。