メンタル面からのパフォーマンスアップを目指す競技ゴルファーの方へメンタルトレーニングを進める中で、ふたつのマインドを提案することがあります。ここでいうマインドとはシンプルにあなたの考え方のことです。
このふたつのマインドからその方に適切なほうを選んでもらうのですが、競技ゴルファーに限らずエンジョイゴルファーにも応用が効くメソッドなので、今回はその2つのマインドの詳細をシェアしていきます。
その2つのマインドを紹介する前に、ほとんどの方が陥りがちな思考である「優秀マインド」について紹介しましょう。優秀マインドとは「少しでも優秀でありたい」「スコアで負けたくない」「下手だと思われたくない」などと他者に対して自分の評価を気に掛ける考え方のことです。スコア、スウィング、服装、ふるまいなど誰もが少なからず優秀でありたいという欲求を持っているものですがそれが本番のラウンドで大いにマイナスに働いているのです。
この優秀マインドの特徴はメンタリティの上下幅が大きいことです。つまり、一喜一憂の幅が大きくなります。スコアやプレーがうまくいっているときはポジティブになり、スコアやスウィングが悪くなり、ミスが続くととたんにネガティブになる。その上下の幅が大きいのです。メンタリティの上下が激しいとそれがパフォーマンスにも影響しスコアの上下も大きくなりがちです。
優秀マインドの方は結果や他者評価を求めるため、自分でプレッシャーを作り出してしまいます。「良いところを見せたい」「次はミスができない」と思えば思うほどプレッシャーは増していきます。
しかし、実は周りは自分が思っているほどあなたの優秀さには興味がないことがほとんどです。なぜなら周りの方も自分の優秀さに一番興味があるからです。ラウンド後の車の中で考えることは基本的に自分の今日のゴルフの振り返りですよね。
このように一喜一憂の上下動の幅が広い優秀マインドではなくラウンドやコンペ、試合ではここから紹介する2つのマインドのどちらかであなたの感覚に合うものを採用してみるとメンタリティが大きく安定するでしょう。
その一つ目が「成長マインド」です。すべての出来事は学びや成長につながっていると考えるマインドのことです。ミスも逆境もアクシデントなどそれらは気づきや学びであり、それらの出来事のおかげで未来のなりたい自分に向け成長できるという考え方です。
基本的に物事に対しポジティブな前向きな捉え方をしていきたい方は成長マインドがおすすめです。成長マインドを自分のものにすることができれ感情はポジティブな範囲で上下動をしますがネガティブな感情になる時間が減ることが特徴です。
ふたつ目が「ゼロマインド」です。ゼロマインドは起きた出来事に対しプラス、マイナスという評価をせずにゼロで捉えるマインドのことです。例えばショットがアクシデント的にバンカーに入ったとします。これを普通は「ついていない」「最悪」などとマイナスに捉えるわけですがゼロマインドではひとつの現象としてとらえます。雨が降ってきた、風がふいてきたなどの自然現象が起こることと同じようにとらえ、「バンカーに入ったか。どう出そうかな」とフラットに考えていくのです。
天候や気温などと同じでゼロマインドの人は「なるようになる」としか考えません。「3パットしてしまった!」「ここでOBか」と起きた出来事にマイナスのレッテルを貼らないことで感情の起伏が少なくなるため、かなり楽なニュートラルな感情でゴルフをすることができます。
成長マインドかゼロマインドのどちらかを採用することで本番でのゴルフが感情的にかなり楽になるはずです。自分自身が優秀マインドだったなという方はぜひ参考にしてみてください。