コースに設置されたハザードのなかでも捕まると厄介なのがバンカー。1打で脱出できるか否かでスコアも大きく変動してしまうバンカーからのショットのコツを、プロゴルファー・大谷奈千代に教えてもらおう。

バンカーから大叩き! もし1打で脱出できていたらベストスコアを更新できたのに……なんてこと、ありますよね。そもそもバンカーはコースにあるハザード(障害物)で、R&A・USGAのゴルフ規則12に記載されているように砂地から球をプレーするプレーヤーの能力をテストするための区域としてコースの難度とゲーム性を高めるために設置されているのです。

そんなバンカーショットで求められる能力は、ボールの手前にある砂を爆発(エクスプロージョン)させ、その力を利用してボールを宙に浮かせるように脱出させていくことです! このことからバンカーショットはエクスプロージョンショットとも呼ばれています。

画像: 砂地から打つバンカーショットでは芝から打つ通常のショットとは異なる能力が求められる

砂地から打つバンカーショットでは芝から打つ通常のショットとは異なる能力が求められる

バンカーショットが苦手な人はアドレスのときからドライバーショットと同じように胸を起こして大きく構えてしまう傾向にあります。通常のショットのように、重心の位置を高くしたまま構えてしまうとボールの下にヘッドが潜り込まなくなってしまい、砂をエクスプロージョンさせることができなくなってしまいます。

また地面と違い、砂地のバンカーでは足元の砂利が動くのでバランスをコントロールするための体幹の強さとバランスの良さが必要になってきます。足幅を広げ重心を下げることができるとアドレス時やスウィング中にグラつくことを防ぐことができるようになるので、自分でクラブと地面の距離をコントロールすることができるようになります。

このことからエクスプロージョンショットを成功させるには構えた段階で腰の重心を下げてコントロールする感覚を養うことが必要になります。

画像: バンカーショットでは相撲の力士のように重心を下げてどっしりと構えるのが正解だ

バンカーショットでは相撲の力士のように重心を下げてどっしりと構えるのが正解だ

子供の頃に遊んだ相撲などで『腰を据える』感覚を思い出してみて下さい。文字通り『腰を下げてどっしりと構える』ことと、もう一つ大切な心構えとして『一つのことに集中して落ち着いて取り組む』。この2つはバンカーからのエクスプロージョンショットに必要な要素になります!

そしてボールの下にヘッドを潜り込ませるにはサンドウェッジのバウンスを生かすことが重要。そのためにはフェースを開いて構えましょう。

体の正面側から見たときに、トップブレードのトウ側が時計でいう12時方向を指すのがスクェアな構えだとしたら、バンカーショットでは11時~11時30分くらいを向いているのがフェースの開き度合いの適度な目安となります。まずはその方向にトウ側を向けるようにフェースを開く感覚を覚え、開いたうえでグリップして下さい。

画像: バンカーショットではフェースを開いて構えよう。正面から見たときに、トップブレードのトウ側が時計で言う11時くらいの方向を指しているのが目安だ

バンカーショットではフェースを開いて構えよう。正面から見たときに、トップブレードのトウ側が時計で言う11時くらいの方向を指しているのが目安だ

フェースを開くことでサンドウェッジのバウンスが使えるようになり、クラブが砂に潜り込まず、滑ってくれるので砂のエクスプロージョンを利用してボールを脱出させることができるようになります。

上達のためには、練習でバンカーの砂を実際にエクスプロージョン(爆発)させてみるのが一番です。おすすめの練習法はバンカーでボールを置かずにエクスプロージョンさせるドリル。砂に線を引いて同じ所にクラブヘッドを落とす練習をしましょう! 練習マットでは感じることのできない、砂をスパーンとエクスプロージョンさせる感覚を掴む必要があります。

クラブが突き刺さってしまう人は通常のショットと同じようにグリップエンドがハンドファーストになってるかもしれません。ハンドファーストでインパクトしてしまうとリーディングエッジが砂に潜ってしまいソールを滑らせることができなくなってしまいます。クラブの構造上、ソールを滑らせるためにはグリップエンドが体の中心にある必要があります。グリップエンドがおへそを向くようにスウィングして下さい。

重心を下げて、クラブのバウンスを使えると砂が衝撃を受けてスパーンと爆発します。この感覚が掴めてからボールを置いてバンカーから脱出する練習をしてみましょう!

This article is a sponsored article by
''.