アベレージスコアがセルフイメージになってしまう
例えば90台、80台、70台のスコアを出したいけどそれがなかなか遠い……と悩む方も多くいるでしょう。この場合当然スキル的な要因やマネジメント的な要因、加えてメンタリティ的要因がそのスコアの壁に複合的に絡んでいるはずです。
もしメンタリティ的要因でスコアが伸び悩んでいるのであれば、あなたは「アベレージスコア」にとらわれている可能性があります。どういうことか、例を交えて説明しましょう。
まず、次のようなゴルファーAさんがいるとします。Aさんはこの1年80台を出したいと願い練習に励んでいます。しかしコーチを変え、道具を変え、試行錯誤しているがなかなか80台のスコアが出せていません。ちなみにAさんのここ半年間のアベレージスコアは95です。
そしてここがポイントなのですが、このアベレージスコアがそのまま「セルフイメージ」になってしまっている方が多いんです。Aさんの場合なら「私はアベレージスコア95前後のゴルファーである」と自分へ意味づけしてしまっているんですね。
セルフイメージとは理想の自分のイメージではなく、本音レベルで自分はどのレベルのゴルファーだと思っているかという自己評価です。人はこのセルフイメージに沿った感情や行動をとり、セルフイメージに近い結果を残してしまいます。
アベレージスコアをゴルファーの腕前の指標として考えられている方も多いと思いますが、それがかえってスコアの壁を作ってしまっているわけです。
練習ラウンドでは5アンダー以上のスコアが出ることもあるのに公式試合ではそれが出ない。調子が良くても最後に帳尻を合わせたかのようにいつものスコア内に収まってしまう。プロゴルファーからも「これって何が原因ですか?」と相談されることがあります。
この原因の1つがセルフイメージ。「私は公式試合では5アンダー以上はでないゴルファーだ」という自己評価がその結果を作ってしまうんです。15ホールを消化した時点で6アンダーだったとしてもラスト3ホールで1つダボを叩いてしまい、4アンダーでホールアウトというように。
結論を言えば、この場合「私は公式試合で5アンダー以上だせるゴルファーだ」というセルフイメージを作り上げることで解決に向かいます。プロに限らず先に例に挙げたAさんの場合も同様で、「私は80台を出せるゴルファーだ」というセルフイメージを持つことでスコアの壁を破れる可能性が高くなります。
ではどのようにそのセルフイメージを構築すればいいのか? セルフイメージを作り上げる重要なポイントが「証拠を集めること」。Aさんにとって「自分は80台を出せるゴルファーである」と証明できる出来事を集めていくんです。
例えば「前半か後半どちらかだけなら44以内で回れた」という経験がこれまでたくさんあったはずですし、これからもあるはずです。このハーフ44以内で回った経験を「成功体験」として捉え「ハールで44出せるのだから自分は80台でまわれる」とマインドセットしていくのです。
他にもトータルで91だったラウンドがあったとします。そこで1つのトリプルボギーが「ボギー」であれば89であったわけなので「あのミスは今後なくすことが可能だから実質的に『自分は80台を出せる実力があるゴルファー』だ」と捉え、マインドセットしていくのです。
ですが多くの方は、トリプルボギーを叩いたときに「自分はまだまだ80台には足りない」と逆にセルフイメージを下げてしまっています。自分でそう思っていては、実現も遠のいてしまいますよね。このようにセルフイメージを高めていく場合、賛否両論あるのですが自分に都合よく出来事を捉えていくことがとても重要になってきます。
いかがだったでしょうか? ご自身のスコアの壁を越えるためには結果を出す前にセルフイメージを書き換えていくことが大切だと理解できたのではないでしょうか。もしあなたのスコアの壁の要因が今回紹介するメンタリティに関わる部分であれば、今回の記事の内容をぜひご自身のゴルフに活かしてみてほしいと思います。