ツアーきってのスコッティキャメロンマニアとされる松山英樹。毎試合、毎日、違うパターを使うこともあるが、今週のZOZO選手権で何を使っている?

松山英樹ファンにとって気になるのは、スウィングはもちろんのこと、彼が使うクラブ。ことパターにおいては、試合によって変えてくることも少なくないことから、SNS上では「今週はどのパター?」と週末の話題に昇るほど。

松山英樹のエースパターといえば、バックフェースに「ボンブ」と呼ばれる黒い丸が3つ並び、フランジには赤いラインが入ったスコッティキャメロンの「ニューポート2 タイムレス」。素材は「GSS」と呼ばれるジャーマンステンレススチール製。軟らかいがボールを打つとコツッと芯のある打感がたまらないといわれる高価なものだ。

画像: GSS製の松山英樹のエースパター。バックフェースには黒い丸が3つ、フランジには赤い線が入る(写真は2014 ウェルファーゴ選手権/姉崎正)

GSS製の松山英樹のエースパター。バックフェースには黒い丸が3つ、フランジには赤い線が入る(写真は2014 ウェルファーゴ選手権/姉崎正)

2013年のプロ転向後初優勝のときは、すでにこのパターを使っており(アマチュア優勝したVISA太平洋のときはオデッセイ)、当時の市販品モデル「スタジオ セレクト」と同じく、トウ側が少し高くなったタイプで、長年この形状を好んでいる。

2014年のUSPGAツアー初優勝時もこのパターだった。それだけに思い入れの強い不動のエースといえよう。

画像: 2013年 プロ転向後に優勝したつるやオープンではすでにエースを使用していた(写真/姉崎正)

2013年 プロ転向後に優勝したつるやオープンではすでにエースを使用していた(写真/姉崎正)

しかしパットに悩む松山にとって、最近では不動のエースとなっていないのが現状だ。ちなみに2年前の「ZOZOチャンピオンシップ」のときにはカラーリングこそはエースの松山モデルだったが、よく見るとわずかに幅が広い、完全オリジナルの「スクエアバック2」で登場。練習グリーンでは当時青山にあった「スコッティキャメロンギャラリー」の限定モデルなど、複数のパターを試す姿も見られたが本戦は「スクエアバック2」で戦った。

画像: 2019年の日本開催のZOZO選手権ではスクエアバック2を使用(写真/姉崎正)

2019年の日本開催のZOZO選手権ではスクエアバック2を使用(写真/姉崎正)

あのマスターズ優勝時はプロ専用の「サークルT」の「ニューポート2」であるが、市販品バージョンでGSSでもない。ソールにウェートがついたモデルでグリップはラムキンのコード入りだった。

画像: マスターズ優勝時に使っていた「ニューポート2」は全米オープンでも使用(写真/Blue Sky Photos)

マスターズ優勝時に使っていた「ニューポート2」は全米オープンでも使用(写真/Blue Sky Photos)

さらにここ数試合では日替わりといっていいほど、試合で使うパターが変わっている。
2020-2021シーズンの終盤戦、ノーザントラストオープンではエースと同じカラーリングだがシャフトがヒール側に溶接されたモデルとセンターに溶接されたモデル。
新シーズン開幕戦フォーティネット選手権ではマレット型の「ファストバック」、さらにはエースと同じカラーリングでセンター部分にクランクネックが溶接されたモデルも使用。シュライナーズチルドレンでは、マスターズ制覇後に手渡されたGSS製の「ニューポート2」を使った。そして直近のCJカップ@サミットではバックフェースの丸が赤いモデル、黒いヘッドのモデルと、ツアーで一番のキャメロンフリークと言われるだけあって、高価なパターが日替わりで登場した。

画像: 右手に持つのが最新の「松山スペシャル」(写真/Blue Sky Photos)

右手に持つのが最新の「松山スペシャル」(写真/Blue Sky Photos)

そして、帰国して参戦した「ZOZOチャンピオンシップ」。どのパターかと注目していると、一貫してエースパターを使い続けている。苦手とされるショートパットも決め、時折、長いパットも沈めて首位に立った。今日、最終日を迎えるこのトーナメントで、久しぶりにエースパターとともに栄冠を手にするのか、18番ホールのグリーン上に注目だ。

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