ホールが途中で右、あるいは左に曲がっている「ドッグレッグホール」を攻略するコツは? プロゴルファー・大谷奈千代に教えてもらおう。

コースのドックレッグを攻略しよう!

練習場とは違って、ゴルフコースには真っすぐなホールだけではなく、左に曲がったホールや、右に曲がったホールがあります。この曲がったホールは犬の曲がった「くの字」の足のように見えたため、「ドッグレッグ(dogleg)」と呼ばれるようになったそうです。

犬の曲がった足だなんて、なかなかイメージ湧きませんよね。私は一度もドッグレッグホールが犬の足のように見えたことがありませんでした(笑)。しかし、イラストにしてみると、確かにドッグレッグに見えるのです!

今回は犬好きな方はもちろん、そうでない方にもゴルフコースを楽しく学んでいただきたいと思い、昔のイギリス人ゴルファーが犬の足に見立てたドッグレッグホールをイラストで表現してみました!

画像: イラスト1:ドッグレッグホールの由来は、ホールを上から俯瞰したときにその名の通り犬の後ろ足のように「くの字」に見えるから

イラスト1:ドッグレッグホールの由来は、ホールを上から俯瞰したときにその名の通り犬の後ろ足のように「くの字」に見えるから

それでは早速、犬の骨のイラスト(簡単に描いています)を見てみましょう(イラスト1)。 いかがですか?

なかなかこんな風にじっくり犬を観察したことがなかったのですが、骨にしてみるとよくわかりますね! 犬の足はこんな風に「くの字」に曲がっていました。イラストと、左に曲がっているドッグレッグのホール全体と比べてみてもなるほど!!!

骨格がとってもよく似ていることがわかります。このことから、左に曲がったホールを左ドッグレッグ、反対に右に曲がったホールを右ドッグレッグと呼ぶのです。ちなみに、1つのホールに2つドッグレッグがある場合はダブルドッグレッグと呼びます。

ドライバーショットではボールをできるだけ遠くに飛ばして距離を稼ぎたいですよね。

しかしドッグレッグホールはコースが「くの字」に曲がっているためティーイングエリアからグリーンが見えないことがあります。つまり、まっすぐ進み続けると飛び過ぎてコースから突き抜けてしまい、OBなどのトラブルが起こってしまうのです!

このようにドッグレッグのコースでは練習場では想定していなかった縦距離の把握とターゲットを決めるという状況判断をしなくてはいけないのです。

画像: イラスト2:ドッグレッグホールではティーイングエリアからグリーンが見えない場合があるので、自身のクラブの飛距離を正確に把握しておくことが重要

イラスト2:ドッグレッグホールではティーイングエリアからグリーンが見えない場合があるので、自身のクラブの飛距離を正確に把握しておくことが重要

今回はパー5の左ドッグレッグをイメージして左と右からの2通りの攻略法を考えてみましょう! ではイラスト3のAとBの二匹の犬を見てみましょう。

画像: イラスト3:赤線で示した内回りのルートは最短距離を狙うためリスクも大きいがリターンも大きい。逆に青線で示した外回りのルートは遠回りになるがリスクも少ない安全なマネジメントと言える

イラスト3:赤線で示した内回りのルートは最短距離を狙うためリスクも大きいがリターンも大きい。逆に青線で示した外回りのルートは遠回りになるがリスクも少ない安全なマネジメントと言える

Aの左ルートを選んだブルドッグ犬は最短距離を狙ってコースをショートカットしようとしています。とにかく前に飛ばして2オン1パットのイーグルチャンスを狙っているのです。しかし、左ドッグレッグでは左のクリークなどの障害を越える必要があります。

このことからわかるように、ドライバーのトータル飛距離だけでなく、キャリーの飛距離を知っておく必要があるのです。ボールがつかまりすぎて左に曲がってしまったり、少しでもミスヒットしてしまうと飛距離が落ちてクリークに入りペナルティーになってしまいます。ドッグレッグでは近道しようとすればするほどリスクとリターンがあるのです。

一方、Bの右ルートを選んだ柴犬はコーナーの反対側のルートを選択しています。少し遠回りになってしまいますが、ペナルティのリスクを減らした堅実な計画なのです。

このようにドッグレッグを攻略するためには1打目の選択が大切です。ドライバーのキャリーとトータルの距離感を把握して攻略ルートを選んでみましょう!

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