“おはようバーディ”ならぬ“おはようホール・イン・ワン”の誕生だ。大会の舞台エル・カマレオンGCでツアー4勝のベテラン、クリス・カークが第一組に登場。スタートホール(10番204ヤード、パー3)でいきなりエースを達成したのだ。
6番アイアンのたったひと振りで2アンダーとしたカークだが「ナイスショットだとは思ったけれどグリーン面が見えなかったのでまさか入ったとは思わなかった」とか。「先にグリーンに上がった同伴プレーヤー2人がバンザイをして大騒ぎしていたので事態を把握した。すごく気分がいいね」。
この1打で勢いに乗ったカークは3ホール目でバーディ、4ホール目でイーグルを奪い、わずか4ホールで5アンダーと何とも笑いが止まらない体験をした。同じく10番から出たブルックス・ケプカがボギー、パー、ダブルボギー発進で出遅れたのとは対照的だ。
それでも首位のウルフには及ばず3打差の3位タイ発進となった。ちなみにカークはかつてアルコール依存症と鬱をカミングアウトし19年にツアーからの離脱を表明。その後専門家による治療を受け復帰。20年にはコーンフェリーツアー(下部ツアー)で復活優勝を飾っており、同じくメンタルヘルスの問題から一時ツアーを離れ復帰したウルフとは共通項がある。残り3日、2人の優勝争いも気になるところだが……。ホール・イン・ワンに話を戻そう。
じつはマヤコバの初日にスタートホールでエースが飛び出したのは2度目。前回は17年でクリス・ミッチェルが同じ10番ホールで達成している。200ヤード以上のパー3で度々エースが出るとはさすがPGAツアーである。
南半球のオーストラリアからは先月99歳のヒュー・ブラウンさんが生涯2度目、61年ぶりのホール・イン・ワンを達成したというニュースが届いた。
どのホールでもティーショットはドライバーと決めているブラウンじいちゃんは前の組がグリーン上でプレー中だったが届かないと判断してドライバーを振り回した。普段ならグリーン手前に落ちるはずだがその日はマレにみるナイスショットで打球がグリーン面を捉えると前の組の目の前でカップに吸い込まれた。
打ち込みはマナー違反だがそのときばかりはグリーン上の人々も拍手喝采、歓声が湧き上がった。この出来事はニュース番組でも取り上げられブラウンさんは一躍全豪の有名人に。
あと2カ月で満100歳の誕生日を迎えるのに「週に3回のゴルフは欠かさない」というスーパーおじいちゃん。歩く姿も若々しい。100歳までゴルフができたら本望。是非あやかりたいものだ。
それにしても世界は広い。